バシュブー陸軍大将:反動が脅威の域に達している(Radikal紙)
2006年09月26日付 Radikal 紙

陸軍大将イルケル・バシュブー氏は、「反動的脅威」が懸念すべき域に及んでいると警告した。同大将は、「シビリアンコントロールに服さず、権力を行使した」とトルコ国軍(TSK)を非難した駐トルコ代表ハンス・ヨルグ・クレッチマー欧州委員に対して、「(その判断は)大きな過ちである。トルコ国軍は、国家の民族性、一元性、世俗主義(原則)を堅持するために何時も尽力してきた、これからも尽力していく」と返答した。
バシュブー陸軍大将は昨日、陸軍学校の2006年-2007年における教育年度開始式典で、簡潔に次のようなメッセージを伝えた。

■ 任務は果たされているのか?:トルコ革命を擁護する諸組織は今日期待される役割を完全に果たしているのか?国民教育にあたる職員は、トルコ革命の支持という役割を完全な形で果たしているのか?

■反動の脅威:トルコ革命に対する抵抗運動とは、反動的(行為)である。今日残念ながら明らかにしよう。そう、反動的脅威は、一部勢力は認めたがらないが、懸念すべき域にまで達している。革命は、一部勢力によって意識的、断続的、計画的な形で弱められており、この方向で言及するに値するほど歩を進めたのは、事実である。

■世俗主義:憲法裁判所は、憲法について公式に判断を下す唯一の機関であり、世俗主義に関する裁判所の解釈は、世俗主義の意味を定めるのに不可欠な源泉である。世俗主義原則に対する憲法上の規定は、憲法の前文と第24条、第174条で明確に定められている。にもかかわらず、世俗主義の意味がなぜ議題に上がるのか理解に苦しむ。世俗主義原則が民主主義と齟齬すると主張するむきには、確かな根拠に基づいて(発言)しているものではない。

■憲法第24条に反さないのか?(注):1950年代以降いくつかの周縁組織は、宗教的傾向を利用し、資金を集め、投資を進め、協会や財団を組織し、教育分野や最終的には政治分野にも影響を行使しようとしたことを、われわれはしばしば目の当たりにしている。これは、憲法第24条に規定されている、「何人も、個人的な利益、あるいは影響力を保全するために、いかなる方法であっても、宗教または宗教的感情、あるいは宗教上神聖視される事物を濫用、悪用してはならない」との条文に反しているのではないか?

■現政体への反動勢力:グローバリゼーションが、国家の福祉的性質を次第に弱めている原因となっているのは事実である。この結果、社会が(宗教的)集団に編入されていることは、一面の事実である。次第に力をつけたこの(宗教的)集団は、経済を方向付け、(ひとびとの)社会・政治生活に意識付けをおこない、宗教に結びついた生活様式として、社会的基盤を築き始めている。
この(宗教的)集団と第677号法によって活動を禁止された宗教教団は、反動的活動の中心勢力となっている。
トルコ革命に反するこの種の試みに対し、憲法と民主的法体系の枠組みの中で、国家の全組織や機構やNGOは、総力をあげて闘わねばならない。

■クレッチマー氏への返答:トルコには、国内外を発信先とする根本的改革計画があることをわれわれは承知している。こうした勢力は、(改革への)最大の障害として、トルコ国軍をみている。彼らは、トルコ国軍の政治介入について述べ、軍隊が特に、安全保障の観点から憲法上の3つの基本理念、すなわち国家の民族性、一元性、世俗主義(原則)に対する攻撃に関与しないことを望んでいるのだ。それは大きな過ちだ。トルコ国軍は、3つの基本理念を守るために何時も尽力してきたし、尽力し続けるのだ。(クレッチマー氏は、トルコの諸組織を評価する際、民主主義が未成熟であることを明らかにし、「シェムディンリ事件はおそらく氷山の一角であろう。法体系と組織的秩序に敬意を表さず、シビリアンコントロールに服さない軍隊が、権力を行使している。国軍にシビリアンコントロールを及ぼすことは、EU加盟交渉において『鍵』のひとつとなる」と述べていた)

(注)本文では「緑の資金」。緑はイスラムの聖なる色。


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( 翻訳者:栗林尚美 )
( 記事ID:3585 )