ナギーブ・マフフーズ氏の軍隊葬が行われる(アル・アハラーム紙)
2006年09月01日付 Al-Ahram 紙

■ 大統領主導の軍隊葬によるマフフーズ氏への厳粛な告別

2006年09月01日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

 昨日正午、ホスニー・ムバーラク大統領の主導する厳粛な葬列によって、エジプトは偉大な作家ナギーブ・マフフーズを終の住処へと送り出した。軍の葬列はカイロ・ナスルシティのアール・ラシュダーン国軍付モスクから出発し、国家高官らに加えて多くの市民、作家、文学者、芸術家、アラブおよび諸外国の大使たちが、ノーベル賞作家の告別に参加することを望んだ。

 昨日朝、葬列の場には世界的作家に最後の別れを告げようと、多くの国民が詰め掛けた。

 これに先立ち、偉大な作家の遺体はフサインモスクからアール・ラシュダーンモスクに運ばれた。フサインモスクでは作家の遺言に従って彼に捧げる礼拝が執り行われ、昨日の朝10時には国民葬が行われていた。国民葬には作家の生まれたガマーリーヤ地区の隣人やファン、彼を慕う人々が何百人も参加し、礼拝ではアズハル総長であるムハンマド・サイイド・タンターウィーがイマームを務めた。

 (軍隊葬では)遺体はエジプト国旗で巻かれ、大砲の台車に乗せられて馬に牽かれるなか、二人の将校が作家がその一生のうちに獲得した数々の勲章やメダルを掲げ持った。その中にはノーベル賞の受賞後にムバーラク大統領によって贈られたナイル褒章も含まれた。

 アフマド・ナズィーフ首相は、政府は来たる世代のために偉大な故人の遺産をどう活用するかについて検討すると明言した。
また首相はこの大作家を「エジプト現代史における大きな、人間味溢れるしるし」と評した上で、「彼の残した不滅の作品はこの国の歴史の大きなしるしであり続ける」と述べ、マフフーズはエジプトとアラブの文学を世界レベルに到達させることを可能にし、世界はノーベル文学賞の授与によってそれに報いた、と指摘した。

 他方、国際社会やアラブ諸国、エジプトの組織や指導層も世界的文学者ナギーブ・マフフーズの死去に対する大きな悲しみを表明し、現在、そして未来の世代のために進むべき道を照らしている彼の残した作品と文学的宝庫とを讃えた。



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( 翻訳者:香取千晴 )
( 記事ID:3417 )