オリエント・エクスプレスがイスタンブル到着~年に一度の豪華な旅(Milliyet紙)
2006年09月06日付 Milliyet 紙
世界中の裕福な人々が旅をする列車「オリエント・エクスプレス」が、パリから始めたノスタルジックな旅を、イスタンブル・スィルケジ駅で終えた。
16:30頃、スィルケジ駅に警笛を鳴らして進入してきたオリエント・エクスプレスを、メフテル[軍楽隊]がマーチを演奏して出迎えた。赤絨毯を歩いて進む列車の乗客たちに、旧時代のイスタンブルっ子の衣装を着た2人の娘、3人の若者がトルコのロクム[お菓子]を配った。列車の到着に際して、駅に集まった好奇心旺盛な群集も乗客の到着を興味深く見守った。
メフテルの演奏するコンサートをしばし鑑賞した裕福な乗客たちは、この場からイスタンブルで宿泊するホテルへと移動した。
12両の寝台車、3両の食堂車、1両のバー・ワゴン、2両のサービス・ワゴンで編成されるオリエント・エクスプレスは、この間にメディア関係者の見学を受けた。
■「初運行は1883年」
オリエント・エクスプレスの運行に携わるイスタンブル観光海運会社のリヤド・シャル事業部長は、メディア関係者との会見で、1883年に完成したオリエント・エクスプレスは、同年、最初の運行が始まったと述べた。
1998年から毎年、年に一度、この懐かしい列車は運行を行っており、パリから始まる旅は、ウィーン-ブダペスト-ブカレスト-ヴァルナを連絡して、イスタンブルに達すると同氏は語った。
同氏は、今日イスタンブルに到着する列車には90人の乗客が搭乗しており、乗客はパリ-イスタンブル間で6000ユーロの運賃を支払っているが、その運賃はそれでも片道分なのだと述べた。
イスタンブルに到着した乗客たちは、豪華ホテルに宿泊した後、飛行機でパリに戻ることになるとシャル氏は述べ、オリエント・エクスプレス号は、イスタンブルから乗り込む新たな乗客と共に9月8日午後、ヴェネツィアに向けて出発すると語った。イスタンブルからヴェネツィアに行く旅行客は、前もって飛行機でイスタンブルに到着していると述べた。
シャル氏は、オリエント・エクスプレスは、年に一回運行するイスタンブルへの懐かしの路線の他、ヴェネツィア-パリ、他のヨーロッパ諸都市間の短い路線でも運行していると述べた。同氏は、列車の調度品はアンティーク調にしつらえられ、戦災で失った車両がオリジナルに沿う形で復元されているのだと語った。
5日間を費やすパリ-イスタンブル間の約5000キロの旅においては、乗客の入浴その他の必要に応えるため、沿線の豪華なホテルへの宿泊が3泊あり、宿泊代は運賃に含まれているものの、個別の宿泊を希望する場合は、さらに料金が上乗せされるとシャル氏は述べ、本のテーマにもなったオリエント・エクスプレスが今日に至るまで、ヨーロッパ社交界の多くの人々を運び、さらに「ロシアから愛を込めて」というタイトルのジェームズ・ボンドの映画がこの列車で撮影されたのだと語った。
※イスタンブルと西ヨーロッパを結ぶ現在の観光用の「オリエント・エクスプレス号」には、シュトゥットガルトから発着する「ノスタルジー・イスタンブル・オリエント急行」(NIOE)
http://www.orient-express.ch/reisen_istanbul.htm
と、パリ/ヴェネツィアから発着する「ベニス・シンプロン・オリエント急行」(VSOE)
http://www.orient-express.com/web/vsoe/journeys/3_967.jsp
があり、記事で取り上げられているのは、オリエント-エクスプレス・ホテルズ社が運行する後者の路線。
参考URL:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%88%E6%80%A5%E8%A1%8C
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( 翻訳者:高田 利彦 )
( 記事ID:3445 )