パリⅢ会議の準備進む 反対派勢力は次の行動計画を今日か明日発表
2007年01月20日付 Al-Nahar 紙

■ 閣僚らに対し警護に関する警告 反対派勢力は港湾・空港の封鎖も含めた計画を今日か明日発表
■ ナスルッラー書記長、パリⅢ会議の話を脇に置き、火曜に開始する運動では早期国会選挙を求める
■ 政府は反発「封鎖行為には対抗措置をとる」「アラブ連盟によるイニシアティブこそ解決である」

2007年01月20日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 パリⅢ会議開催の5日前となり、政府は会議の準備を開始した。広範な活動の中でも昨日注目されたのは、会議に関する詳細を詰めるために閣僚らが首相府で行った打ち合わせであった。この打ち合わせについては明後日月曜日にフアード・アル=セニョーラ首相が開く記者会見の話題となるであろう。月曜日の記者会見には、パリⅢ会議に提出する諸案を担当する閣僚や、支援を行う諸国・諸機構・国際諸機関の代表らも出席する。また情報によれば、昨日は期限の48時間前に作業リストを配ることができなかったため、閣僚会議を行う時間の余裕はなかったという。

 一方、長らく姿を見せなかったヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長が久しぶりに姿を現して演説を行った。ナスルッラー書記長の演説はパリⅢ会議の話を来たる火曜に行われる反対派勢力の運動とは分けて語り、サウジアラビアの仲介を賞賛し、宗派色や内戦の疑いを排しつつ、反対派勢力が決議を左右する力を持つ政府を目指すとの主張に基づいて早期国会選挙を求める点では姿勢を強化する意向を示した。また、去年7月の戦争中に起きたことについて多数派をあらためて非難し、この告発の真実を調査する内部調査委員会の設置を要請した。

■ 予測

 3・14勢力に属する有力閣僚筋は本紙に対し、反対派勢力が今後行ういかなる運動も、昨年の12月1日から始まった運動より好ましい成果を生み出すこともなく終わるであろうと述べた。曰く、道路上でタイヤを燃やして道路を寸断しても、治安部隊の措置によって再開されることになるだろうし、港湾・空港などの公共施設を封鎖しても、内部にサービス継続を保証する職員たちがいるので成功しないであろう。あるいは反対派勢力が主要道路を麻痺させるために座り込みを組織しても、これは諸刃の剣であり対抗措置に繋がるであろう、という。

 同閣僚筋は、「ナスルッラー氏はアラブ連盟によるイニシアティブの結果を待つべきだった。アラブ連盟によるイニシアティブは名誉ある出口を示すであろう。早期国会選挙の要求が大統領選挙の前に実現することはないし、反対派勢力が決議を左右する力を持つ政府は生まれない。幾度も提案されてきたバランスのとれた解決の形へと戻らざるをえないのだ」と見解を示した。また、「ナスルッラー氏が早期国会選挙に照準を合わせている狙いは、同盟を組んでいるミシェル・アウン将軍に対応することである。アウン将軍は、およそ50日に及ぶ反対派勢力の運動全体で今まで何の利益も得ていない」と述べた。

 さる政府関係者の認識によれば、ナスルッラーの態度が表しているのは、政治的には強硬でありながらも、激化した運動の前線からヒズブッラーを撤退させ、今日か明日発表される立場の責任を反対派勢力に負わせようとする試みであるとみられる。また、ナスルッラー書記長の昨日の現れ方が「比較的穏やか」であったことも、数週間前の登場の際にこうむった損失の程度を抑えようとする試みであった、とみられている。

(後略)

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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:10046 )