350品目が競売にかけられるアンティーク会社のオークションで、スルタン・セリム3世の花押が入った2つの錠剤も売りに出される。りゅうぜん香から作られたその錠剤は、当時のバイアグラである。
アンティーク会社が2月18日にスイスホテルで予定しているオークションでは、オスマン帝国時代のものとされる350の品目が競売にかけられる。オークション品目の中で興味を引くのは、スルタン・セリム3世のために作られたりゅうぜん香の錠剤、スルタン・アブドュルアズィズにイギリス王家が贈った旅行トランク、トルコで最初の印刷者イブラヒム・ミュテフェリッカが1732年に冊数限定で印刷した、キャーティプ・チェレビの「地理書」などである。
スルタン・セリム3世のために作られ、柔らかいキャンディーやコーヒーに混ぜて使われたこの錠剤は、オスマン帝国時代に心臓強化、食欲増強、そして特に性欲増強に使われていたことが知られている。この2つの錠剤はマッコウクジラの未消化物から出てくる物質で出来ているりゅうぜん香から作られたもので、8千トルコリラ(約70万円)で競りに出される。
■デルヴィッシュ・アリのコーランが8万トルコリラ(約700万円)
スルタン・アブドュルアズィズの旅行トランクの内部は入れ子式の九つの部分に分かれ、金銀の装飾が施された100近いアイテムから成っている。トランクの中には櫛、毛抜き、ワインの栓抜き、ブラシ、はさみ、パイプ、双眼鏡、靴べらなどの道具が入っている。
オークションで、アリイェ・ベルゲルの2つの絵と3つの版画と、芸術家の私的なノートを含むコレクションが4千5百トルコリラ(約40万円)で競りに出される。
オスマン帝国時代に最初に印刷された本の一つである「地理書」は、イブラヒム・ミュテフェリッカによって500冊刷られたことが知られている。デルヴィッシュ・アリの数少ない貴重なコーランが8万トルコリラ(約700万円)で競りにかけられる中、預言者ムハンマドのメディナの図書館で使われていた印章はと言えば、非公開方式で競売にかけられる予定である。
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( 翻訳者:佐藤淳也 )
( 記事ID:10124 )