ギュル外相、アルメニア「虐殺」法案阻止はブッシュ政権頼み
2007年02月11日付 Milliyet 紙

 アブドゥッラー・ギュル外務大臣は、「アルメニア人虐殺の主張を含む法案が承認されないように、ブッシュ大統領が議会へ書簡を書き、ライス国務長官も議会のリーダーたちを訪ねることとなろう」と話した。

ギュル外務大臣は、アメリカ訪問を終えアンカラへ戻った。昨日(10日)記者会見を開き、訪米についての評価を行った。ギュル外相は、要約すれば以下のことを述べた。

■アルメニア人虐殺の主張は、アメリカの問題ではない

アルメニア人虐殺問題は、アメリカの政治問題ではない。一般市民は、この問題に興味を示していない。しかし離散したアルメニア系市民たちは、自らの選挙区の連邦議会議員を支援するみかえりで、約束をとりつけている。地域的な問題が、トルコとの戦略的関係を駄目にするのは正しくない。議員たちは、まずアメリカの国益を考え、その次に地域の事柄に関心を抱くべきである。

我々は、アフガニスタン、イラクの安定のために共に務め、テロとの闘いに取り組み、エネルギー・プロジェクトを行っていく。その一方で、このような法案が可決されるかもしれない。これを認めることは出来ない。

アメリカの安全保障の次元にある問題は、通常の法案可決のように扱われるべきではない。アメリカ政府が、議会に対して「あなたがたの活動が、アメリカの国家安全保障上の利益を危険にさらしている」と干渉を行うことを、私は信じている。

■ライス国務長官が、議会を訪れる

アメリカ政府に対して、虐殺に関する法案がトルコ・アメリカ間の関係にいかに深刻なダメージを与えることになるかを説明し、アメリカ政府が行動することを望んだ。「この法案が通過し、(いずれ)トルコ人は忘れる」という形とはならないとも話した。トルコ政府と軍部は(その問題に対し)働きかけを行っている。軍部周辺が活動をおこしたことが重要である。コンドリーザ・ライス国務長官は、議会を訪れよう。ジョージ・W・ブッシュ大統領も、書簡を書こう。すでに、議会の有力議員たちや(ナンシー・)ペロシ下院議長の注意を引くために書簡を作成した。

■ペロシ議長は、会う約束をしなかった

自身(ギュル外相と会見しなかったぺロシ下院議長)は目下、対応の準備が出来ていないと考え、会談から逃げた。しかしこのことは、我々がペロシ議長に行動の自由を与えたということを意味しない。彼女に最も近い人物、学識者、支援者と話をした。そして、全員が多いに協力しようと話してくれた。会談できなかったことを、誇張する意味はない。

■アナン・プランが受け入れられていたなら、軍は撤退していた

ギュル外相は、一昨日(9日)ニューヨークで外交問題評議会(Council of Foreign Relations)いうシンクタンクで演説を行い、その中でトルコ・EU関係の中でのキプロス問題について見解を語った。同外相は、アナン・プランが国連及びEUによって支持されたことを強調し、「もし仮にキプロス共和国側がアナン・プランを受け入れていたならば、今日トルコ軍はキプロス島から撤退していただろう」と述べた。

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( 翻訳者:丹羽貴弥 )
( 記事ID:10147 )