嫌がらせメールが原因で離婚訴訟
2007年02月13日付 Iran 紙

【事件部】あるアラブの航空会社に勤める客室乗務員の女性が、夫からの嫌がらせメールによる被害に遭ったとして、離婚を要求した。

 また、この若い女性はイランの裁判所に出廷を命じられた際、夫が妻に対し入国禁止措置をとったとして、夫に対し1億トマーン〔約1250万円〕の支払いを要求した。

 報道によると、24歳になるこの女性は、弁護士を通じて、離婚を求める訴えを起こした。この女性は現在、ペルシア湾岸地域の国で働いており、テヘランに来ることなく、離婚訴訟をテヘラン家庭裁判所第298法廷に提出した。

 この訴えには、次のようにある。

 「4年前、私は金貨124枚の婚資金で、夫と結婚しました。その時、私はイランの航空会社で客室乗務員をしておりました。その後程なくして、夫の許可を得て、あるアラブの航空会社の採用試験を受け、見事合格いたしました。アラブの国に行くことになり、私は同国の市民権を得るため、同国の規則に従って、5年間そこで暮らすことになりました。

 夫はこのことにまったく反対しませんでした。何度か海外に住んでいる私に会いにきてくれたこともあります。ところがどうしたことでしょう、夫は激しい妄想に取り憑かれてしまいました。彼のせいで、私の人生は真っ暗になってしまいました。彼は携帯電話のショートメールを送り付け、私を中傷し、脅迫しました。私の平穏な生活は失われてしまいました。夫は電話でも、侮蔑的なことばを吐き、私を苦しめようとしました。彼との生活を続けることに、やぶさかではありませんでしたが、離縁以外の解決策はありません。離婚を求めます」。

 この女性の弁護士は、夫は1年前から生活費を支払っていないと主張、女性が抱える困難に鑑み、離婚の許可を与えるべきであると強調した。

 このような訴えに対し、女性の夫は家庭裁判所に出廷し、次のように述べた。「妻と結婚してから、私はどんなときも彼女を守ろうと努力しました。彼女が仕事でステップアップを目指そうとしているのを見た時も、私は彼女を応援しました。ところが彼女はアラブの航空会社に勤めてからというもの、態度がすっかり変ってしまったのです。私は悲しくなりました。仕方なく、私は自分の生活を守るため、彼女に仕事を辞め、私との生活に戻るよう求めました。彼女がなぜ私の求めに応じなかったのか、分かりません」。

 彼はさらに次のように続けた。「私は脅迫的なメールを彼女に送ったことなど、一度もありません。これは陰謀です。〔離婚のための〕口実なのです。ご存知のように、メールの受信者にとって、メール文章の構成を変え、自分の好きな文章に改竄することはたやすいことです。どんなに美しく、甘いメッセージも、荒々しく、中傷的なメッセージに変ってしまうのです」。

 家庭裁判所の裁判官は、この女性の夫の弁明を聴取した後、彼が離婚に反対しており、生活費の未払いを証明する証拠もないことなどから、女性の離婚の訴えを退けた。

 離婚は認められないとの判決が下ったことに対し、女性の弁護士は抗告し、テヘラン州控訴裁判所に最終審理を要求した。これを受け、控訴裁判所第26法廷の裁判官らは審理を開始した。

 ベフルーズ・キャルバースチー裁判長と、モハンマド・ハサン・ザルギャリー、アーレフェ・マダニーの両裁判官は、女性に対し出廷を要求した。これに対し女性の弁護士は、夫が彼女のイラン入国に対して入国禁止措置をとっているとして、1億トマーンの支払いを要求した。

 本紙記者の報告によると、女性の夫は1億トマーンの支払いを受け入れたとのことで、女性は弁論のため、近々テヘラン州控訴裁判所に出廷する予定である。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:10163 )