エルサレムの聖域での発掘作業に対しアラブ・イスラーム世界中から怒りの声
2007年02月09日付 Al-Ahram 紙
■ オルメルト首相、アル=アクサー・モスク付近での発掘作業停止を拒否
■ エジプト、イスラエル大使を呼び発掘作業を批判、即座の停止を求める
■ アラブ・イスラーム世界から怒りの声、アズハル総長は安保理の介入を要求
2007年02月09日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【メッカ:ハサン・アーシュール、ガザ:アシュラフ・アブルホウル】
昨日、イスラエルのエフード・オルメルト首相は、現在進行中のアル=アクサー・モスク周辺での発掘作業中止を拒否する姿勢を示した。
問題の発掘作業はアラブ・イスラーム世界のムスリムたちの憤慨を招いており、オルメルト首相のこの拒否によって、金曜日にあたる今日はパレスチナやイスラーム諸国において、イスラエルの行為に対する怒りと抗議の一日となると予想される。
イスラエルの情報筋によれば、イスラエルのアミール・ペレツ国防大臣がオルメルト首相への書面で、直ちに発掘作業を中止することを要求したが、首相は「発掘作業は誰にも損害を与えるものではない」とし、その要求を拒否したという。
エジプト外務省はカイロ駐在のイスラエル大使シャローム・コーヘン氏を呼び、イスラエルの発掘作業とアル=アクサー・モスク周辺の破壊行為に対するエジプトの不快感と怒りを表明した。
(中略)
その頃イスラエル当局は、今日が集団礼拝の行われる金曜日で、数万人の礼拝者が殺到すると予想されることから、アル=アクサー・モスクと岩のドームを含むイスラームの聖域一帯〔アル=ハラム・アル=シャリーフ〕へのムスリムの入場を制限する措置を講じる決定を下した。同様に聖域への外国人訪問客の立ち入りを禁じた。
パレスチナ地域におけるイスラーム司法界の最高権威者〔カーディ・アル=クダート〕であるタイスィール・アル=タミーミー師は、「今日、金曜日は、イスラエルの発掘作業に対する怒りと抗議デモの一日だ」と宣言した。
またカイロでは、アズハル総長のムハンマド・サイイド・タンターウィー師が、神聖なるアル=アクサー・モスクに対するイスラエルの罪深い攻撃に対し、「ムスリムの聖域を侵す者、ムスリムの身体あるいはその財産あるいはその土地を侵害した者に対するジハードは、ムスリムの権利であり義務である」との裁定を発した。
タンターウィー師はまたこの破壊行為の中止のために、国連安保理その他の国際的な各方面に介入を求めることは、アズハルの役割のひとつだと述べた。
(後略)
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( 翻訳者:河上直衣 )
( 記事ID:10164 )