レバノン山地マトン地方でバス爆破、20人以上死傷
2007年02月14日付 Al-Nahar 紙

■ 新たなテロ、民間人を標的に
■ 北マトン地方でバス爆破、3人死亡23人負傷
■ 多数派勢力、シリア体制がレバノンの「イラク化」目論んでいると非難 2月14日のハリーリー元首相暗殺記念集会をあくまで決行へ
■ ビッリー国会議長「不快感」を表明しつつ解決の模索を継続 ハリーリー議員、国際法廷設置の必要性を強調

2007年02月14日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 テロリズムが昨日再び、北マトン地方を舞台に民間人を狙った流血のメッセージを発した。ラフィーク・アル=ハリーリー元首相と同行者たちの暗殺2周年記念日を前に発生したこの爆破事件で3人が死亡し、23人がけがをした。

 あらゆる勢力がこの犯罪を非難しているものの、この事件が何を狙ったものであるかは隠しおおせるものではない。一連の爆破事件が政府高官やオピニオン・リーダーを狙ったものであったのに対して今回は民間人を狙ったものであり、3・14勢力の声明の表現を借りれば、レバノンをイラクで起きている出来事の「丸写しのような」国民どうしの暴力の坩堝に陥れることを目論むものである。またフアード・アル=セニョーラ首相が言及しているように、[ハリーリー元首相暗殺に関する]国際的な性格を有する法廷の設置への道は多大の犠牲を伴うものになることをレバノン国民に告げようとするものでもある。

 多数派勢力はシリア体制がこの新たな犯罪の背後にいるとはっきり非難している。一方で消息筋からの情報によれば、アラブ連盟のアムル・ムーサー事務局長はダマスカスにおいてシリア政府高官から、与党19人野党11人の閣僚配分による政府の樹立を呼びかけるとの明確な要請を受けたという。この配分は野党側が否決に十分な3分の1の閣僚数を確保するものであり、国際的な性格を有する法廷の設置案はこの「致命的な少数派勢力」を含む新政府に付託されることになるため、多数派勢力側はこれを完全に拒否している。現政府は次の閣僚会議において[ハリーリー元首相暗殺に関する国際調査委員会の]セルジュ・ブランメルツ国際調査委員長の任期再延長を要請する方向であり、また通常国会の会期を間近に控えて、法廷設置案を首相から国会議長への文書のかたちで国会へ送付する方針である。またセニョーラ首相は国連の潘基文事務総長に対して、アイン・アラクでの爆破事件に関する捜査の支援を求める書簡を送った。これは2004年以来レバノンを狙った一連の犯罪行為を裁くためにあくまで国際司法の支援を仰ぐ姿勢を崩さないとの意向を表すものである。

(中略)

■ 爆破事件

 北マトン地方での爆破事件は次のようなものである。ビクファイヤーの町に近いアイン・アラク地区で乗客の乗ったバス2台が昨朝爆発した。初期の捜査によればそれぞれのバスの車内に爆弾が仕掛けられたことが明らかになっており、遠隔操作によって爆破されたと見られている。また爆発の前にバスに乗り降りした人々の似顔絵が作成された。

 また治安当局筋が昨夜明らかにしたところでは、3人の死亡者のうちエジプト国籍とされていた1人はアレッポ地方出身のシリア人であることが判明した。同筋によれば情報が錯綜したのはこの2人の人物の身元が類似しているためであり、身元が確定したのは公式の資料を参照した後のことであったという。

(後略)

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( 翻訳者:森晋太郎 )
( 記事ID:10175 )