民主市民党県本部代表が逮捕 -トルコ軍のキルクーク介入関連発言で
2007年02月23日付 Zaman 紙
民主市民党(DTP)ディヤクバクル県本部代表ヒルミ・アイドードゥが「キルクークへの攻撃は、ディヤルバクルに対するものと受け止める」と発言したことを受け、「国民の憎悪感情および敵意を煽った」罪で逮捕された。
民主市民党ディヤルバクル県本部代表ヒルミ・アイドードゥは、同氏がマスコミに発表したキルクークに関する発言を理由に23日正午ごろ、身柄を拘束された。ディヤルバクル弁護士会主催の『真実、正義、平和のために過去と向き合う』という会議に参加していたアイドードゥ代表は、ディヤルバクル共和国高等検察庁の命により、会議の最中に身柄を拘束された。私服警官に同伴されて法医学施設で診察を受けたあと、同検察庁で供述を行った。
同検察庁は尋問終了後、アイドードゥを逮捕請求とともに予審判事の許へ送った。ここでも供述を行ったアイドードゥは、トルコ刑法216/1条に基づき「国民の憎悪感情および敵意を煽った」罪で逮捕され、ディヤルバクルD型刑務所に送られた。
アイドードゥがディヤルバクル司法部に身柄を拘束されている間、ディヤルバクル広域市のオスマン・バイデミル市長、付属の諸区長および多数の民主市民党執行幹部らが、情報収集と加勢のために同司法部を訪れた。
DTPディヤルバクル県本部代表のアイドードゥは、「キルクークに対し行われようとしている介入は、この上なく無分別で無思慮で、理性的でない。(そうした行為は)歴史的事実を認めず、それを全く拒絶する思考の所産である。イラクでクルド人のリーダーが大統領に就いていることは、クルド人にとって非常に重要なことだ。歴史的に意味がある。この事実は、クルド人意識を高め、クルド人の民族愛を高め、民主主義を広め、クルド人が中東の他の民族と同等に扱われ、受け入れられるようになる上で重要な役割を果たすだろう。キルクークへの攻撃は、ディヤルバクルに行われたと同じことになる。その逆も然りだ」と話した。
DTPヴァン県本部のイブラヒム・スンクル代表とDTP若手議会のメンバーのアブドゥルヴァハプ・トゥルハンも昨日逮捕された。
■ クルド労働者党(PKK)のプロパガンダを行った罪でアイドードゥに対し裁判
23日裁判所に送検され、身柄拘束中のDTPディヤルバクル県本部代表のアイドードゥについては、以前にも、テロ組織クルド労働者党(PKK)が出したいわゆる停戦宣言について同氏が行った発言が理由で公訴された。
DTPのアイセル・トゥールク共同代表およびDTPのヒルミ・アイドードゥ県本部代表に対しては、9月1日の世界平和の日にディヤルバクルで行った演説でテロ組織PKKのプロパガンダを行ったとして公訴された。ディヤルバクル共和国高等検察庁による尋問のあと開かれた裁判の第1回公判は、2007年2月1日に行われた。
両氏は、ディヤルバクルの駅前広場において9月1日世界平和の日を記念し開かれた集会で行った演説が理由で、テロ対策法(TMY)7/2条に基づき、「違法組織のプロパガンダを行った」罪でディヤルバクル第4重罪裁判所で審判が行われることが決まっていた。
アイドードゥ県本部代表は意見陳述で、社会の平和への要求を口にしたものだと述べた。平和への努力を支援し、争いを終結させるために自身の見解を述べたと説明するアイドードゥは、「PKKの停戦宣言は状況を緩和させた。平和に向けて努力している人々の発言からもそれは分かる。誰であろうと、平和に向けて提言する者があれば、私たちは支援する」と話した。
ディヤルバクル共和国高等検察庁は、2006年9月3日に駅前広場で行った集会での演説を理由にトゥールクとアイドードゥ両氏を公訴し、起訴状に以下のように記した。
「被疑者らは演説で、PKKのいわゆる停戦宣言について言及し、続いて解決策声明として被疑者らが提示した条件を尊重することをトルコ共和国に対し求め、この声明を支持することをすべての人に対し求めた。また政治意思決定者としてオジャランを承認するのを求めて集められた署名を提示し、被疑者自身らにより平和へ向けた活動とされた過程でアブドゥッラ・オジャランが政治意思決定者およびリーダーとして認めらなければならないと強調した。」
検察庁は起訴状で、EU加盟国およびアメリカでは、政府関係者がテロ組織またはテロ組織のメンバーと特定されたグループや個人といかなる条件においても話し合うことはないとし、PKKおよびオジャランと話し合うべきとの要求は組織的プロパガンダとしての性質を持つとした。
現地の新聞はこちら
( 翻訳者:倉本さをり )
( 記事ID:10240 )