ギュル外相声明:「刑法第301条を選挙前、数週間以内に改定する予定」
2007年02月24日付 Milliyet 紙
アブドゥッラー・ギュル外相兼副首相は、トルコ刑法第301条が数週間以内に改定されうるだろうと述べた。
ギュル外相は、EUオブザーバー・インターネットサイトに出した声明で、第301条がトルコの改革プロセスに影響をあたえていると述べ、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相ともども、この条項は改定される必要があるという見解にあると述べた。
同外相は、トルコ刑法が2年前、すでに表現の自由という点では問題にならないように全面的に改定されたことに触れ、表現の自由は当然のことであるということがはっきりしていることを、しかし検察官の一部が、作家や知識人をねらって、訴訟を行っていることを明らかにした。
さらに、「数週間以内、すなわち選挙前に301条を改定する予定ですが、我々は頭の切り替えも必要であり、これは一朝一夕ではできません、一つのプロセスなのです」と述べた。
■「速度は落ちなかった」
トルコで開始された改革プロセスは今後も継続していくだろうと強調するギュル外相は、EUはこのところ、いくつかの一時的な問題に直面していたと述べつつ、しばらくすればEUにおける雰囲気はよりよくなるだろうと述べた。また、「この時を利用し、我々は前進するつもりです」と語った。
同外相は、トルコのEU加盟プロセスへの関わりが「議題にもなっていないこと」、またある分野は棚上げされたにも関わらず、様々な議論が続いていることを指摘し、トルコは「(改革の)速度をおとしていない」と述べた。
その上、EU加盟国の多くはトルコの加盟の重要性を認識しているとし、「多くの加盟国は私以上に、トルコを擁護していることが分かりましたので」と語った。
■いわゆるジェノサイド
声明で、いわゆるジェノサイド論争に関するトルコの見解にも言及したギュル外相は、1915年に起きたことに関連して、次のように述べた。
「あの当時起きたことは一つの悲劇でした。しかしこれを『ジェノサイド・集団虐殺』と呼ぶならば、かつてドイツで殺害されたユダヤ人のために、別の用語を探す必要があります。これは私たちを本当に困惑させています。トルコ人、アルメニア人、ムスリム、非ムスリムなど、非常に多くの人々が命を落としました。これらは第一次世界大戦期に起きたことであり、例えばバルカン地域では、トルコ人は3百万人の命を失いました」と語った。
同外相は、問題が明らかにされるために、トルコがアルメニアに対し、歴史学者からなる共同委員会の設立を提案したことを再び述べ、「しかし、アルメニア人はこれに関心を示さないのです。この呼びかけは、アメリカの議会議員やフランス人に対してのものでもあるのです」と述べた。
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( 翻訳者:幸加木 文 )
( 記事ID:10249 )