まるで時限爆弾! -イスタンブルのアタテュルク文化センターの現状
2007年03月01日付 Milliyet 紙
アタテュルク文化センターの壁が湿気で腐っている。暖房装置(カロリフェル)のボイラーは爆発の危険まである。予想される修理費は1億1800万新トルコリラ(YTL)(約99億円)。
「解体するか、しないか。」
こうした議論が生じている、イスタンブル所在のアタテュルク文化センター(AKM)はひどく老朽化している。AKMの壁は地下室から屋上まで、湿気のせいで腐っていた。とうの昔に寿命を終えている、50年ものの巨大な機械がある地下室は、時限爆弾を抱えているかのようだ。暖房機のボイラーは老朽化し、技術的な点よりいつ爆発するともわからない。
イスタンブル記念建造物管理局が作成したAKMに関する報告書によると、修理費は1億1800万YTL(約99億円)にのぼる。地震に対する力学上の構造に関しては、イスタンブル工科大学とユルドゥズ工科大学の報告書を待っている。保存委員会はこの報告書の内容に沿って、解体問題の最終決定を行う。
■エアコンは動かない
AKKセンター長ハイルッラー・ジェンギズと我々は、建物全体を見学する中、まずはじめに地下室を見学した。壁は湿気でほぼ腐っていた。ペンキが剥げた壁には電気の配線がむき出しになって錆びていた。
建物には1960年製のエアコンがある。しかし2機あるうち1機は壊れていた。壊れたエアコンを修理できる技術者もいなければ、予備の部品もない。この壊れたエアコンは、はずされ、今はまだ動いているエアコンに予備部品を提供している。動いているエアコンも十分に働いていない。とても古い代物なので、夏は演者・観客ともに暑さに辟易している。
■舞台には水が滴る
建物に設置される巨大な発電機は、停電となると、巨大な騒音を立てて動き出す。燃料油で動く発電機は、性能が不十分なうえ、その使用燃料故に環境破壊の原因となっている。関係者は、ラフミ・コチ芸術博物館で展示されるほどの古い機械はとうの昔に寿命を終えている、と強調している。
暖房装置の設備はアスベストという発ガン物質で黄色くなっている、と述べられている。いたるところで腐食が生じているため、配管にあいた穴から、舞台を始め多くの場所で水が滴っている。このため配管の中をお湯が流れない。暖房のために年間50万YTL(約4202万円)の燃料油を使っているが、期待されるほど十分に暖まっていない。
舞台の木造部分も腐っている。舞台のエレベーターも機械が古いため危険が潜んでいる。火災警報システムを示す計器盤は完全に壊れている。修理も不可能だ。このため火災認識は、目視でおこなっている。AKMではシステムを人間の力に頼っている。その結果、火災の危険にさらされているAKMの職員は眠れなくなるのである。
文化観光省は、AKMの現建物を解体して、その敷地に新たなビルを建てたいと思っている。新しいビルが出来るまではイスタンブル文化芸術財団より引き継いだマスラックにあるビルを代用することを検討している。
AKMの新しい建物(の建設)はコンペで決定する予定で、AKMの建物の隣りにある駐車場も含んだ、巨大な複合施設の建設が計画されている。
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( 翻訳者:住永千裕 )
( 記事ID:10299 )