エヴレン元大統領を訴追の準備:トルコの連邦制を提案した疑い
2007年03月03日付 Hurriyet 紙
ムーラ県共和国検察庁は、ケナン・エヴレン第7代元大統領の発言に関する調査を始めた。元大統領は州(eyalet)制度を提案したが、「連邦(fedrasyon)制」として書かれたことを明らかにした。
エヴレン元大統領は、自身の発言に法に抵触する部分がないと述べ、次のように語った:私は大統領在任中、トルコで8つの知事管轄地方行政区を作れば、周囲の県はそれぞれの行政区に組み込まれ、行政サービスが非常に簡素化される。また、20-30年、おそらく50年後、知事管轄地方行政区はそれぞれ州になりうる、と話しました。ドイツ、フランスの例があります。しかし中途半端な記事にされました。私ははっきりと州の創設について述べたのに、新聞記者らは連邦制と書いたのです。元大統領として、この問題が解決されるよう、議論されることを望みました。州制度について皆が話していますが、覚悟を決めて発言する者はいませんでした。私は思い切って発言したのです。私を恨んでいるものたちはこれを気に入っていません。9月12日の軍事クーデター(注:1980年)のためです。もちろん恨みを持っている者たちは、「いいぞ!いいことをいっている」などというでしょうか?彼らは反対の立場に立つことになるのです。
■私が拷問したとでも言うのですか?
私は絵を描くべきで、こうした事柄に関わってはいけなかったらしい。ばかげた話だ。私はトルコの分離に向け働いていたことになっているようです。アメリカと交渉し、アメリカの意向に沿うよう分離に向け画策していたというのです。私はトルコを分離させないようにと思い、9月12日のクーデターを実行しました。クーデターの実行者は、分離を画策したというのでしょうか? 私は拷問者だったらしい。私が拷問を行ったのでしょうか? 9月12日以前に拷問が無かったと言うのですか?
■法律は万人に有効
ムーラ県共和国検事長メフメト・ユルトゥセヴェルは、議論を巻き起こしたケナン・エヴレン第7代元大統領の発言の調査を開始し、「法律は万人のためにあります。我々は任務を遂行しています。ルポルタージュを書いた新聞記者と会い、音声記録と映像を調査する予定です。法に抵触する箇所があれば起訴します」と語った。去年、ユルトゥセヴェルは青少年指導プログラムに参加したエヴレンに対し「クーデターを褒めた」容疑で審問を開始させたが、その問題に関しては訴追しないという結論になった。
ムーラ県共和国検察庁がケナン・エヴレン元大統領の調査を開始させたことは、国家規模の案件となった。エヴレンが「誤解された」といいながら、部分的に否定した「トルコを8州に分割しうる」との発言が新聞に掲載された後、調査を始めさせたムーラ県共和国検事長メフメト・ユルトゥセヴェルは、「トルコでは法律は万人のためにあります。ケナン・エヴレンの発言を調査しています。法に抵触する箇所があれば、捜査を開始します」と述べた。
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( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:10310 )