国会前で教師ら数千名が集会を開催
2007年03月04日付 E'temad-e Melli 紙
3月4日付エッテマーデ・メッリー紙1面の写真より
【エッテマーデ・メッリー:シールザード・アブドッラーヒー】国会前のバハーレスターン広場で、一万人以上の教育関係者による集会が開かれた。これは、国会前で開かれる集会としては今回で3度目となるもので、公務員管理法の不明瞭なあり方に抗議したものだった。その前のエスファンド月2日〔西暦2月21日〕の教師集会も同じ場所で開かれた。
また昨日、約20人の国会議員らが国会議事堂から出てきて、遠くから教師集会に集まった群衆を眺めていたが、国会議員らは教師らの中に入って、彼らとの話し合いを行おうとしなかったことに対し、集会に集まった教師らからは怒りの声が上がった。
昨日ある国会議員は、公務員管理法施行のための予算が、86年度予算では計上されていないことを明らかにした。ムーサー・アッレザー・サルヴァティー議員は、メフル通信の記者に対し、「インフレ率に合わせた職員給与ならびに退職者給付金のアップすら計上されていない」と語っている。
予算合同委員会での予算の検討作業は、先週終了し、昨日から国会公開本会議場での法案審議が始まっている。
昨日、現教育相であるマフムード・ファルシーディーが以前事務局長を務めていた〈原理主義派〉の教育関係者団体の一つである〈イスラーム教育協会〉は声明を発表し、教育関係者によるあらゆる集会や授業のストライキは、国民への奉仕を旨としている現政権の弱体化をもたらす行為であるとして、さらに次のように述べた。「神への冒涜を旨とする強権的抑圧体制〔欧米帝国主義のこと〕が企てている陰謀と混乱は今日、国の教育機関へと向けられている。抑圧者にカネで雇われた守銭奴どもは、偽りのイスラームを叫び、また公務員管理法案や職員らの生計・福利厚生・給与・賃金などの経済問題、さらには〈教師在職中試験〉の設問をめぐる混乱〔*註〕を悪用して、自身の不浄なる意図を、学校や学識ある教育関係者らの間に流布させようと企んでいる」。
〔中略〕
他方、金曜日に全国の教育関係者同業者組合が一堂に会する会合が、6時間遅れで、個人のアパートの一室で開かれた。
教師同業者協会は、以前より、この会合の開催のために、シェミーラーンにある〈教師会館〉を借り、〈教師会館〉ホールの一日賃貸料として50万トマーン(約6万3千円)を、支払っていた。ところが、午前8時組合の代表者らが会合の開催場所に出むいたところ、戸が閉まっていることに気がついた。表向き、会合がキャンセルされたのは、水道管の破裂のためだとされた。しかし、協会のスポークスマンであるマフムード・ベヘシュティー=ランギャルーディーによると、〈教師会館〉の責任者らが口頭で教師達に、彼らも会合の開催を阻止するよう〔上層部から〕指示された、と伝えたという。
〔中略〕
会合は結局、午後2時、テヘランパールスの第4広場にある個人のアパートの一室で開催され、翌朝3時まで続いた。全国28の地方組合と教師同業者協会、ならびにイラン教師協会の代表者らは、決議書を採択して会合をしめくくった。
この決議書は昨日、国会前で開かれた集会において、教育関係者らの前で読み上げられた。昨日の集会では、集会の運営のあり方に関して、スローガンを掲げたり、自然発生的な動きが起きたりするのを防止することが合意されていたにもかかわらず、多くの人が集会に参加していたため、一部の教師グループが自然発生的にスローガンを掲げるといった事態が起きた。
本紙記者の報告によると、約20人の国会議員も国会前に姿を現し、この集会を見物していた。しかし、彼らは一言も発することなくその場を後にした。
訳註:「〈教師在職中試験〉の設問をめぐる混乱」とは、今年2月中旬に、在職中の教師を対象とした試験で出題された問題の中に、〈預言者に対する侮辱〉となるような記述があったとされ、イランの宗教関係者や国会関係者らから教育省に対する批判がわき起こったことを指す。出題された問題では、預言者ムハンマドの個人的な生活や容姿にかかわる記述があったといわれている。〈教師在職中試験〉とは、高卒あるいは高専卒で、在職したまま大学に通うことを希望する教師に対して課される試験。
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( 翻訳者:齋藤あかね )
( 記事ID:10335 )