レバノン政府、ハリーリー元首相ら暗殺事件に関する国際調査委の任期延長を要請
2007年02月21日付 Al-Nahar 紙

■ 国際調査委員会の任期1年延長を要請 パリⅢ会議の成果の第1歩としてアラブ首長国連邦から3億ドル
■ 閣僚会議「反対派勢力の国際法廷拒否は拡大内閣の樹立を阻害する」
■ シリアはイラン・サウジアラビアの相互理解に応えず
■ レバノン問題、今日ブリュッセルで協議へ

2007年02月21日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 政府支持派と反対派勢力の間の危機的な関係は昨日いかなる緊張緩和の兆しも見せなかったが、それが政府の責任遂行を阻むことはなかった。閣僚会議は昨夜長時間にわたって開かれ、ラフィーク・アル=ハリーリー元首相ら暗殺事件に関する国際調査委員会の任期を来る6月15日から1年間延長するよう国連に対して求めることを決定した。同時にパリⅢ会議の決定事項の履行の力強い口火として、アラブ首長国連邦との低利子による3億ドルの借款合意に署名が行われた。

■ 待ち時間

 政治的には、国内および地域レベルで行われている連絡協議について詳しい消息筋から本紙に入った情報によると、イランが国連安保理で行われている核問題をめぐる協議に忙殺されており、シリアが国際的な性格を有する法廷の設置案にレバノン国内の同盟勢力が賛同することを認めていないため、レバノン危機解決の努力は今のところただ待つだけの時期に入っている。イランはシリアに対して、シーア派とスンナ派の宗派抗争を避けるためにレバノンの危機の打開を望んでいることを伝えたが、現在に至るまでイランはシリア政府がこの解決に共に乗り出すよう説得することができていない。

 また同筋の見るところ、反対派勢力はイランとシリアのこうした状況のため、アラブ連盟のアムル・ムーサー事務局長が進めるアラブ・イニシアティブから生まれた調停案について何ら回答を提示できていない。そのため反対派勢力はこの間にも強硬な態度にうったえており、その手段の1つが民衆反乱である。こうした状況が、ナビーフ・ビッリー国会議長と昨日早朝にリヤドからベイルートに戻った「ムスタクバル・ブロック」代表のサアド・アル=ハリーリー議員との会合の予定に影響を及ぼした。ハリーリー議員は帰国直後、サウジアラビアのアブドゥルアズィーズ・ハウジャ大使と会談した。関係者らの注目した点は、「会談を行うにはそれを成功に導く要素が揃っていることが必要で、それは現在のところ存在しない」と発表してハリーリー議員との会談への道を断ったのがビッリー国会議長だったということである。

(後略)

Tweet
シェア


現地の新聞はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:田中裕子 )
( 記事ID:10354 )