■ シリア・イラン共同生産の「シャーム」自動車
■ シリア大統領「イラン政府との政治的協力は素晴らしく順調」
2007年03月09日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
【UPI、AFP】
シリアのバッシャール・アル=アサド大統領は、シリア・イランの共同生産事業である「シャーム」自動車の生産第一段階の開業式にあたって、「シリアとイランの政治的協力は素晴らしく順調である」と述べ、「両者のそうした素晴らしい政治的関係の上にたって、経済・商業・工業上の関係を強化し、さらに築き上げていくこと」を希望した。また、フランスのプジョー自動車の仕様を持つこの自動車の生産開始を、「両国国民の利益に奉仕する大きな一歩」であると表現した。
さらにアサド大統領は、「工業や経済その他の分野を通じ、両国民にとっての共通の利益をもって結びつくことによって、我々が政治的な協力関係をさらに強化することは非常に重要である。この工場は、シリアとイランの間でそうした協力関係を強化するための大きな一歩である。我々はこの工場を大変誇らしく感じている」と述べた。
アサド大統領は、生産開始式に参加するためにダマスカスへ来たイランのパルヴィーズ・ダヴーディー副大統領とともに、ダマスカス近郊の工業都市アドラーにあるシリア・イラン共同会社の工場内部を歩いて回った。「シャーム」自動車はイラン・ホドロウ社との提携で生産される。
シリアのさる高官は「初のシリア製自動車の生産は、シリアに新しい工業技術を導入することになり、自動車部品の製造にたずさわる軽工業の立ち上げを推進するだろう」との見解を示した。
ズィヤード・カッティーニー技術産業局長は、「この会社の資本の40%、金額にして6千万ドルをイランの会社が分有しており、シリアの工業省が35%、民間部門の複数の会社が25%をシェアしている」と説明した。また、「この新しい工場の人員は現在のところ訓練中の100名だが、プロジェクトが完了し、生産ラインが稼働する際には400名に達する」と述べた。
情報筋は、「シャーム」自動車の価格が1万2千ドルとなり、年間生産能力はおよそ1万台、1日あたり40台となるだろうと述べている。
一方、シリアのファールーク・アル=シャルウ副大統領は、イラクのダヴーディー副大統領とともに、「この地域、特にイラク、パレスチナ、レバノンにおける現在の展開」について協議した。シリアの国営通信社「サナ」は、「議題をめぐっての見解は一致している。特にこの地域やそこに住む人々の利益を望まない諸勢力が野望を実現するために争乱や対立を広めることを狙った試みを阻止すべきだとの見解で一致している」と伝え、両国が「頻繁に会合を持って協議を行い、現在の課題に対して両者の間で調整を強化することの重要性を確認した」と報じている。
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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:10386 )