今年のチャハール・シャンベ・スーリーの安全確保へ向け、各方面が人々に注意を喚起
2007年03月12日付 Hamshahri 紙
【ミーナー・シャフニー】チャハール・シャンベ・スーリーを安全に執り行うことは、この国民的祭事にとってもっとも重要な課題となっている。警察や消防、救急、県庁、さらには裁判所までが、この問題への対応に万全を期した準備を行っている。
毎年、1年の最後の水曜日が近づくにつれ、この日の夜〔*〕の安全をどのように確保すべきか、議論が繰り広げられている。
〔訳註:チャハール・シャンベ・スーリーは1年の最後の「水曜日(チャハール・シャンベ)の夜」に行われる行事だが、伝統的な考え方では、一日は日没から始まるとされるため、「水曜日の夜」とは、一般にわれわれがいうところの「火曜日の夜」を意味する〕
▼ 楽しいことがないから‥‥
家族と楽しく過ごす場がないから、社会との接点がほしいから、自分の存在を示したいから‥‥。これらが、チャハール・シャンベ・スーリーで周りに被害をもたらすような危険な行為を、学校に通う若者たちが行う主な理由である。
PTA中央機構の副総裁は昨日朝、記者団にこのように述べた上で、「青少年はチャハール・シャンベ・スーリーのような行事では、〔他人の〕注意など聞き入れようとしない。家族が、この日の夜に危険な社会的行為が起きぬよう、子どもたちをそばから監督すべきだ」と語った。
治安維持軍長官も、警察は人々が楽しむことに反対をしているわけではないと断りつつ、次のように述べている。「年の暮れの水曜日だからといって、無法が許されるわけではない。治安維持軍はこの日に問題を起こし、社会の平穏を奪おうとする者に対しては、厳正に対処する所存だ」。
国境警備警察の第8回全国会合に出席したエスマーイール・アフマディー=モガッダム司令官は、記者らとのインタビューに応じ、「治安維持軍は、年の暮れの水曜日に迷惑行為を行い、器物を破損し、道を塞ぎ、同胞の平穏を乱すなどの行為を行う者に対しては、厳正に対処する」と述べた。
同長官はその上で、「司法当局との調整により、違反行為を行う者は新年のノウルーズ休暇を拘置所で過ごすことになろう。つまり、彼らは休日を失うことになる」と語った。
治安維持軍長官は続けて、「もし子どもたちが、危険性の少ない発火物を家族同伴で、それ用に定められた場所で使用して、チャハール・シャンベ・スーリーを楽しむのであれば、われわれがそれを取り締まるようなことはない。むしろ、われわれとしては、それを大いに歓迎する」と語った。
近年、チャハール・シャンベ・スーリーで用いられる発火物は、大きな社会問題となっている。
身元不明の不法な業者が製造するさまざまな種類の発火物が市中に出回っており、発火性の高い爆竹が一般の人々の間に流通している。人々は何も知らずに、これらの商品を購入しているケースも多い。
「アーブシャール(滝)」、「フェシュフェシェ(ロケット)」、「ボム(爆弾)」などの商品名で売られている爆竹類は、使用方法について十分情報が与えられぬまま、一般の人々によって購入・使用されているのが実情だ。
これらの発火性・爆発性の商品はまた、定められた基準から外れた地下の工場で製造されており、このことも警察によるこれらの商品の供給・流通の管理を難しくしている。
これに関連し、テヘラン市消防安全サービス庁の報道官は、チャハール・シャンベ・スーリーでの事故に備え、臨時の消防署を71ヶ所に設置したことを明らかにした。
ファトホッラー・テイムーリー氏は、次のように述べている。「現在、テヘラン市には80の常設の消防署が存在するが、チャハール・シャンベ・スーリーで火事などの事故が起こりうることを考慮し、71の臨時消防署をテヘラン市内の広場や通り、公園などに設置する予定である」。
テイムーリー氏はまた、テヘランの市民に対し、「安全に関する注意点・勧告に留意し、子どもたちの行動に注意を払うことで、安全な環境の下、新年ならびにノウルーズ休暇を迎えてほしい」と注意を促した。
消防庁長官代行でもある同氏はまた、チャハール・シャンベ・スーリーで発生した火事の件数が昨年大きく増加したと述べた上で、「昨年のチャハール・シャンベ・スーリーでは、首都だけで計139件の火事が発生した。その結果9名の市民が負傷している」と指摘した。
救急もまた、事故が起きてもすぐに消火できるよう、消火器を事前に用意し手元に置いておくことを、予防措置として一般の人々に勧めている。
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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:10397 )