「議員は男じゃなきゃだめ?」 ―女性たちのちょっと変わった選挙キャンペーン
2007年03月15日付 Hurriyet 紙

「女性が選挙や人材登用によってもたらされる全ての意思決定メカニズムや政治の舞台において一刻も早く影響力のある役割を果たせるようにするような、また(国会での)男女比を徐々に等しくするような女性議員を誕生させる」ことを目的として、1997年以来の活動で成功を収めている女性候補支援・教育協会(KA-DER)は、(今年の総)選挙を前に全く新しいキャンペーンに着手した。

「議員になるのに男性であることは条件か?」と問う4人の著名な女性、すなわち女性実業家でトルコ実業家協会(TÜSİAD)評議委員会のユミット・ボイネル会長、発行人・作家で最近は女優業も行っているメラル・オカイ、それに女優のメルテム・ジュムブルとラーレ・マンスルが、これから先街角で「ネクタイをし」「口ひげを生やした」格好で有権者に微笑みかけながら、次のように言うことになっている:

・社会の半分は女性でできている。
・しかし女性は、1935年から今日まで平均してトルコ大国民議会(TBMM)議員の2.2パーセントしか占めていない。
・トルコは、国会における女性議員の割合という点で167国中163番目である。
・女性の少ない議会では民主的な問題解決は図れない。

さあ、女性を議員に選ぼう。

「各政党のリーダーは、3月8日以降次々に今度の選挙で候補者名簿により多くの女性の名前を載せることを表明した。KA-DERは全ての政党がこの約束を実現させるよう呼び掛け、もっと多くの女性がTBMMの議員になれるよう尽力している」というKA-DERのキャンペーンをもって、女性たちが政党に先立って政治キャンペーンを始めたということになる。

■「この状況をそろそろ変えなければ」―72年間で男性国会議員8294人に対し女性は186人

トルコの女性が選挙・被選挙権をヨーロッパの女性よりも先に手に入れていたことや、一時期国会における女性の数でヨーロッパの大半の国を抜いていたということは、とりわけ男性議員が事あるごとに自画自賛する事実である...
確かに1935年のTBMMにおける女性議員の割合は4.6パーセントだった。

しかしこれはもはや自画自賛されるようなことでなくなってから久しい。なぜなら全てはこの時の状況のまま止まっているからだ。止まるだけではなく、後退した。

1950年に複数政党制に移行したことにより、国会における女性議員の数は急速に低下し始めた。女性に被選挙権を認めた共和人民党(CHP)を含めて、政党は政治をやりたい女性たちに「平等なんだから、男性と一緒に選挙を戦わなければならない」と言った。

にもかかわらず現実はそうではなかった。女性たちを候補者にせず、意思決定メカニズムの中に入れず、(候補者名簿の)当選可能な順位に女性の名前を載せない政党は、女性たちを政治からすっかり遠ざけてしまった。

世界の国会で女性議員の数が急増するなか、トルコは4.4パーセントで167国中163番目に留まった。72年間でTBMMの国会議員となった男性の数は8294人だったのに対し、女性はわずか186人に過ぎなかった。

■「ショーウィンドウのお飾り」状態に終止符

今年10周年を祝うKA-DER。女性たちはもはや政治の世界で「ショーウィンドウのお飾り」であることを望んでいないとするKA-DERは、このため全政党に先駆けて今日、選挙イヤーの幕を開けた。

KA-DERの創設者であるシリン・テケリ会長は、同協会が10年間続けてきた教育活動で、政治に関する細かな事柄を自分たちもまた学んだと語った。それらは政治的なメッセージを2分間でどのように伝えるかや、演説のときにぶらぶらするイヤリングを身に着けるべきか、また記者会見ではどう話せばいいか、といった細かな事柄のことである。

テケリは、最初の段階で活動の目標としていた「女性議員の割合を10パーセントにする」ことは現実的ではないことがすぐに分かったものの、1999年に達成された4.2パーセントという割合もまた重要な最初のステップになったと述べた。なぜならこの1つ前の選挙でこの割合はわずか2パーセントだったからだ。その年に国会での女性議員の数は12人から23人に増え、2倍となった。少なくとも1935年時点での数に肩を並べたのだ!

■そろそろ男性至上主義者の議会ではなくなってほしい

テケリ会長は、2002年選挙の候補者名簿が発表された後、本紙がつけた「男性至上主義者の議会」という見出しもまたKA-DERの活動の結果であり、その成果であると述べた。政治学者もこれを契機にこの問題への取り組みを始めている。

女性たちの多くはそろそろ議会にもっと多くの女性国会議員がいる姿を見たがっていると話すテケリは、このような言葉で話を締めくくった:「全ての政党に問い掛けている、あとどれだけの間女性の進路をふさぎ続けるつもりなんですかと。今年の選挙では女性議員を10パーセントにするという目標を達成しなければならない」。

「議員になるのに男性であることは条件か?」をスローガンとするKA-DERのキャンペーンは、候補者名簿の上位に女性の名前が掲載されるようにするために始まった。上位3番目までに少なくとも1人の女性の名前が載るように...

KA-DERによれば、国会で女性議員が少ないことは自分たちだけでなく誰でも気付いている事実であるという。「この問題について1つの社会プロジェクトを準備したと言ったところ、全ての門戸が開かれ、多くの支援を受けた。なぜならこの恥ずべき状況をみんな知っていたからだ」。

アドレナ広告社からボランティアでの支援を受けたキャンペーンの第1弾では、ご覧の4人の著名な女性の写真が使われる。これらの写真はひと月の間、バス停や広告板、海上バス、デパートで、口ひげにネクタイ姿となって掲示される。(写真の中の人物は)次のように言う:

「お気づきですか、72年間国会での女性議員の割合は4パーセント以上になったことがないんですよ。この状況を変えるために支持の手を」。

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( 翻訳者:穐山 昌弘 )
( 記事ID:10414 )