大統領選に向けた立候補(公示)期間を1ヶ月後に控え、アブドゥッラー・ギュル外相兼副首相は、(レジェプ・)タイイプ・エルドアン首相が大統領選に立候補するかについては、まだ決定していないと述べた。さらに同氏は、エルドアン首相が各方面の人物と公に、または内密に会合を行っていると述べ、この「調査期間」のすえに最終日より前に党機関が決断を下すと述べた。ギュル外相は、首相を候補とする決定となるのかとの問いに対し、「私たちの政党は1人や2人の人間で構成されるものではない。党機関と話し合う」と返答した。
ラディカル紙の質問に対するギュル外相の返答は以下の通り。
Q-「公正発展党内で配布されたアンケートフォームでは、エルドアン首相の代わりに、スカーフを被らない妻を持つ4人の人物が大統領候補として挙げられていると言われています。この状況についていかがお考えですか?」
A-「アンケートはこれに限らず、他にも多数行われています。皆さんはあまりアンケートに捉われてはいけません。大統領選挙を緊張の原因にはしません。大統領は選出され、トルコはこれまで通り進んでいくのです。この選挙は、これまで行われてきたなかで最も物議の少ない大統領選挙でしょう。これまでの選挙はもっと物議を醸していました。」
Q-「ですが、国内外を問わずエルドアン首相が大統領になるか否かについて、また、なった場合トルコに緊張が生じるか否かについての議論が行われていますね。」
A-「それはトルコでの議論を受けてということもあるでしょう。主たる反対派のリーダーであるバイカル氏は、当然のことながら時折、瑣末な点に議論を運ぶこともあります。ですがこうした状況は民主的な論議をおこなう環境にあるということです。この議論については1年前に始めることもできましたし、政党で、メディアで、世論で活動することもできたでしょう。ですがもしそうしていれば、我々自身や政党、国を疲弊させていたことでしょう。ですから私たちは、エネルギーをこうしたことに費やすのではなく、(政権政党として)なすべきことをすることにしたのです。明らかに利害の衝突があります。反対派は、私たちをこの議論の中に引きずり込んで、(その結果生じた)緊張が自らに利するとみています。逆に私たちは、こうしたお遊びに巻き込まれず、議論が生じる限り可能な限り早く終わらせることにし、そう実践もしています。」
Q-「バイカル氏は、エルドアンが大統領になればトルコに緊張が生じると言っています。この意見には他に賛同する人たちもいます。軍部もそうした立場にあるといわれていますが、これについて軍部と何か接触はとられましたか?」
A-「いいえ、とっていません。昔のやり方を繰り返すつもりはありません。忘れてならないのは、トルコがEUと交渉を進める国だということです。このことは、トルコが今いかなる立場にあり、昔とは大きく違うことを示しています。もちろん軍部とも議論はするでしょう。当然のことです。ですがトルコは、昔のトルコではありません。うまくやります。一部の人々が言うように、危機(が生じたり)、既定路線を踏み外したり、機能停止することはあり得ません。市場も企業も国民も、これを理解しています。」
Q-「首相は大統領選について、あなたと見解を一にしているのですか?」
A-「一致しているところもあれば、そうでないところもあります。今この問題にあまり深入りしないということで互いに合意しています。」
Q-「一致していないところがあるというのはわかります。首相自身に決断を委ねたということですか?」
A-「もちろん、首相は私たちの長です。残り期間もそう長くはありません。会議を行い、決定を下します。」
Q-「つまり、まだ会議は行っていないのですね?」
A-「はい。」
Q-「これまで、重大決定は国民議会議長ビュレント・アルンチ氏、エルドアン首相、そしてあなたと、三者の会合によって決められてきたとの印象があります。今回も同様でしょうか?」
A-「私たちの政党は1人や2人で構成されるものではありません。党機関と話し合います。議会内会派とも話し合い、そうして決定を行います。わずか少人数による決定でトルコの将来は決められないでしょう?」
Q-「大統領は社会的合意のもとで選ばれるべきとの要望についてはどうお考えですか?」
A-「大多数の支持を得る政権として、当然のことながら私たちにその義務はあります。選挙の後行った最初の演説で、トルコを主導するにあたりすべての人々と話し合うと私は述べました。首相も、発言どおり、社会の様々な立場の人々から見解を聞いています。」
Q-「首相はこの問題について会合を行っていますか?」
A-「明確には申し上げられませんが、当然のことながら公であれ内密であれ会合は行われています。それは、情報収集の場でもあり、調査という過程でもあります。こうした末に、決定を下します。」
Q-「立候補開始まで1ヶ月となりました。最終日まで待たねばなりませんか?」
A-「いいえ、最終日にはいたらないと思います。適当な期間で決着するでしょう。」
Q-「エルドアン首相が立候補することについてどうお考えですか?」
A-「これについてはあなた方に誤解を与えたくありません。ご説明したとおりの過程をふんでいます。私は、トルコで緊張が起こることなく大統領が選ばれ、トルコがこのまま進んでいくと信じています。」
Q-「大統領選挙後に総選挙を早める予定はありますか?」
A-「ありません。政権内にも政党内にも、これに関わる活動はありません。11月4日の総選挙に向けて準備を進めています。」
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( 翻訳者:倉本さをり )
( 記事ID:10418 )