イラク安定化のためのバグダート国際会議開催
2007年03月11日付 Al-Ahram 紙

■ マーリキー首相:「イラクは自国がバグダード国際会議での政争や影響力行使の舞台になることを許さない」
■ アメリカ政府がイランとシリアに警告、イラク首相は両者の仲介を提案
■ 二発の迫撃砲弾がバクダード会議の開催場所に着弾、イラク人158人が死傷

2007年03月11月付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【バグダード:ムハンマド・アル=アンワル】

イラク治安・安定化国際会議の開会式で、イラクのヌーリー・アル=マーリキー首相は内政への不干渉を求め、イラクが地域的・国際的な紛争を解決するための場となることを容認しないとの考えを明らかにしたうえで、「イラクはいかなる形であれ、ある国が影響力を行使するための舞台となることを許さない」と語った。

同様に、イラク国内の過激組織に対する資金調達と援助の停止に向けた国際的な支援を求め、イラクにおける宗派間暴力の増加が他の中東諸国にも及ぶ可能性を警告した。またイラン・シリアとアメリカとの関係を示唆しつつ、イラクは対立の解消のために役割を果たす準備があるとの姿勢を示した。

また会議の雰囲気についてイラク政府の報道官は、イラクの治安と安定化を目指すという点で参加代表団は一致していると強調、「周辺諸国は政治プロセスと国民和解に向けたイラクの努力、そしてイラクの各政治勢力間の対話を支援している」と語り、いかなる意見の不一致も見られなかったと主張した。さらに報道官は、イラクの安定化実現への努力強化に向けて来る4月にイスタンブールで開催される会議に出席するよう、G8諸国と周辺諸国の外務大臣を招待するつもりだとつけ加えた。

一方、バグダード会議関係筋は、カリルザード駐イラク米大使とイラン代表団長であるアッバース・エラーグチー氏が、友好的な笑顔を浮かべつつ握手を交わしたと明かした。カリルザード米大使は、「イラクの近隣諸国」との表現で明らかにイランとシリアを指し示しつつ、イラクにおける暴力の悪化を引き起こしている武器と戦闘員の流入阻止に向けた更なる努力を呼びかけた。

会議の後、イラクのフーシュヤール・ズィーバーリー外相は、エネルギー支援とイラク難民、治安協力という問題の調査のため、3つの技術委員会を設立することで合意したと発表した。

厳しい治安対策にもかかわらず、会議の開催場所であるイラク外務省の周辺に二発の迫撃砲弾が着弾し、出席者を恐怖に陥れた。イラクの複数の都市で暴力事件が増加する中、90人のイラク人が死亡、その内会議場周辺での死者は28名に及び、その他68名が負傷した。同様に多国籍軍は、アンバル県でのアメリカ兵士1名の死亡を発表した。

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( 翻訳者:工藤章 )
( 記事ID:10454 )