アメリカとイスラエル、ミサイル防衛システム合同演習へ
2007年03月19日付 Al-Nahar 紙
■ アメリカとイスラエル、ミサイル防衛システムの演習を予定
2007年03月19日付アル・ナハール紙(レバノン)HP1面
【AP、ロイター、AFP、UPI】
アメリカとイスラエルの高官たちは昨日、イランが核兵器や長距離ミサイルを保有している可能性があるとの警戒を強めるなかでアメリカとイスラエルはミサイル防衛の大規模な演習を行い両国のシステムの統合を目指す予定であると発表した。
「ジュニパー・コブラ」と名づけられたこの演習はイスラエル南部のネゲブ砂漠で行われ、数千人のアメリカ兵とイスラエル兵が参加する予定である。両国は演習のタイミングについては2年ごとに行う定期的なものだと述べ、イランからの脅威との直接的なつながりの存在は否定した。
演習についての詳細な情報を提供する権限がないため匿名を希望した軍関係者によれば、アメリカ軍とイスラエル軍は核弾頭や化学・生物兵器を搭載できるミサイルへの対応についての新しい方法を調査する。今年の演習はイスラエルの「アローⅡ」やアメリカの「パトリオット・PAC-3」のようなミサイル防衛システムの実弾を用いた演習ではなく、通常より少数の人員とコンピューターを用いた高度なシミュレーション装置によって行われると明かした。
またイスラエルのある治安関係者は「地域の情勢、特にイランの動きなどを考慮して、演習の規模を従来よりかなり小さくすることに決定した」と述べている。
アメリカ軍報道官はアメリカの軍事専門紙である「ディフェンス・ニュース」紙に対し、今回の演習の規模は装備の都合や昨年の夏にイスラエルがヒズボッラーに対して行った戦争に影響されている、と明かした。また同報道官は「実弾を用いた大規模な演習計画を行うのに十分な時間がなかった」と述べたが、イスラエル軍は「今回の演習は、対空防衛システムの運用能力を確認することを目的とした定期的な訓練の一環である」と明かすにとどめた。
イスラエルとアメリカはイランが核兵器の製造を試みていると非難しており、それに対してイラン政府は、核開発の目的は平和的なものであると主張するとともに、ウラン濃縮活動の停止を求める欧米諸国の要求を拒否している。こうした対立のために、イスラエルかアメリカ、或いは両国がイランの施設に対して軍事攻撃をしかける可能性についての憶測が生まれており、イラン側はそのような攻撃に対しては必ず反撃すると述べている。
「ハアレツ」紙は、「今回の演習の基本的な目的は、化学・生物兵器を搭載したミサイルを含むイランおよびシリアのミサイルの脅威に対抗することと、反撃の迅速性について調査を行うことである」と報じている。
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( 翻訳者:垣平浩明 )
( 記事ID:10463 )