検察がエルドアン首相の調査開始 -オジャランに敬称をつけたのか
2007年03月27日付 Radikal 紙

アンカラ検察局は、タイイプ・エルドアン首相に関して、「オジャランさん」という表現を用い罪を犯したかどうかを明らかにするため調査を始めた。告訴に関して5年の時効が成立し、発言が「犯罪者を賞賛する」目的でなされたのかを証明するのが難しいという理由により、首相に関する略式裁判が行われる可能性は低い。

エルドアンは2000年にオーストリアのあるラジオ番組で行った談話で、PKK指導者アブドゥッラー・オジャランについて2度「さん」付けしたことが明るみになった。「オジャランさん」という表現を用いたために民主市民党(DTP)の指導者らに有罪判決が下され始めると、共和人民党をはじめ大多数の野党側もエルドアンの発言を議題に取り上げた。エルドアンに対して10の犯罪の告発がなされた。

アンカラ検事副総長ヒクメト・オネンは、この告発に対して調査を始めた。調査においてトルコ刑法の「犯罪および犯人を賞賛すること」という書き出しで始まる第215条を足がかりにしたオネンは、談話に関するカセットテープを調べた後決断にいたる模様だ。そして検察局は、問題となっているこの表現が罪を犯すという意図でなされなかったという結論にたどり着けば、捜査はせず不起訴処分とするだろう。しかし検察局が、首相の不可侵権の撤廃を要求して略式裁判請求を行うことは可能である。

司法の状況はこれが容易ではないことを示している。まず、エルドアンへの捜査・裁判請求の決定のために、時効までまだ時間が残っている必要がある。エルドアンが告発のもととなった罪を犯したのが2000年1月14日。以前のトルコ刑法によればこの罪の時効は5年である。すると時効は2005年1月14日で成立している。検察側がこのように計算して本案件から手を引くことは驚くべきことではない。しかし、司法界ではこの計算の仕方に対して反対意見もある。エルドアンは2002年に国会議員に選出された。反対意見を持つ者たちは、国会議員でいる間は時効が中断されており、よってまだ時効が成立していないという見方をしている。

検察局が「時効は成立していない」と判断したとしても、略式裁判請求を行うために、「オジャランさん」という発言がオジャランを賞賛する目的でなされた、という結果にたどり着く必要がある。

検察局は、2度の「さん」づけを確認したにも関わらず、エルドアンが現在国会議員、そして首相の座にあり、大臣らが捜査される上での根拠が憲法で定められていることにより、「手続きの遂行は不可能」として不起訴処分とする可能性が高いと見られた。

法務大臣ジェミル・チチェキは昨日(3月26日)の閣議の後発表を行った際、ある質問に対して、調査に関する説明を行う予定はないと述べた。

■民主市民党(DTP)党首はトルコの刑罰を受けた

エルドアン首相に関する調査が始められた理由である「オジャランさん」という表現は、何度もDTP指導者が罰せられる理由ともなった。DTP党首のアフメト・チュルクは、2006年1月18日にオジャランを「さん」付けで呼んだために6ヶ月の懲役判決を受けた。大多数のDTP党員も同じ理由で捜査された。以下はこれらの一部である。

・スィロピ郡長イドリス・アルガンは、(オジャランの)トルコへの連行を記念して行われた記者会見でオジャランを「さん」付けで呼んだために2月22日に逮捕された。
・アンカラ共和国検察局は、DTP第一回特別会議でオジャランへ「さん」付けしたという理由で、政党の管理体制及び運営委員会のメンバーについて3月1日に捜査を始めた。
・DTP所属のマルディン県知事フェルハン・チュルクは、3月10日に行われた記者会見でオジャランに「さん」付けし「犯罪者を賞賛した」という理由で昨日(3月26日)逮捕された。
・12月2日、エディルネで行われた記者会見でオジャランに「さん」づけしたために、DTP所属のエディルネ県支部長ベシル・ベルケ、クルクラーレリ県支部長ヤクップ・アスラン、テキルダー県支部長ヒルミ・カラオアンについて、昨日訴訟が起こされた。起訴状で「犯罪者を賞賛した」と告発された3人の県支部長について、2年までの懲役刑が求刑された。

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( 翻訳者:小野寺香織 )
( 記事ID:10497 )