■ オルメルト首相がサウジアラビアとの対話を要望
■ イスラエル情報機関「レバノンとの戦争は惨劇だった」
2007年03月31日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
イスラエルの情報機関「モサド」のメイール・ダガン長官と公安部「シャバク」のユバル・ディスキン長官は、昨夏イスラエルがレバノンに対して行った戦争を「国民的惨劇」であったと表現した。一方、イスラエルのエフード・オルメルト首相は、5年以内にアラブとの和平が可能であるとの見解を示し、パレスチナ人との直接交渉を支援するために地域会合を開催することを提案した。
(中略)
■ オルメルト首相
オルメルト首相は、イスラエルが提案した修正を施すことなくアラブ和平提案を固持すると発表したアラブ首脳会議の結果について初めて言及し、パレスチナ人との直接交渉を支援するために地域会合を開催することを提案した。オルメルト首相は「イディオット・アハロノート」紙とのインタビューにおいて、「和平はこの先5年以内に可能である。というのも、以前は起きたことのなかった物事が起きており、我々はチャンスを掴まなければならない」と述べた。
オルメルト首相は、ユダヤの祝祭にあたって昨日行われたイスラエルの「ハアレツ」紙との別のインタビューにおいては、「サウジアラビアおよびその他のアラブ世界の穏健諸国と対話を実施したいと望んでいる」と述べた。アラブ諸国は和平提案を再び活性化するためにリヤドでアラブ首脳会議を開催したばかりである。
オルメルト首相は、イスラエルとパレスチナ人との直接交渉実施を支援する地域首脳会議に喜んで参加する準備があると表明し、サウジアラビアのアブドゥッラー・ブン・アブドゥルアズィーズ国王の役割と「アブドゥッラー国王のイニシアティブ」を称賛した。
オルメルト首相は、「サウジ・イニシアティブ」に肯定的に言及し、「アラブ和平提案」については、パレスチナ難民の帰還を要請する国連決議194号を強調していることから留保の意向を示した。「サウジ・イニシアティブ」については、「その内容全てに同意しているわけではない」としつつも前向きに対応していくと述べ、「サウジアラビアの人々とは、自らの意見を述べ、彼らの意見を聞き、議論を行う用意がある」と付け加えた。
その一方でオルメルト首相は、ヨルダン川西岸における新たな入植地に言及し、「立ち退くのは、パレスチナ人が義務を果たした後でしかない」と述べた。
オルメルト首相は木曜日に、「アラブ世界の中でも特定のアラブ諸国は、イスラエルがアラブ世界最大の災いではないことを理解し始めている」と述べた。また、「サウジアラビアこそ、イスラエルとの解決を達成できるかどうかについてのアラブの力量を決めることになる」との見解を示した。「サウジアラビアの人々がリーダーシップをとり、表に出て、介入を行う用意があるかどうかが重要である」と述べ、「イスラエルはこの問題について誇張しすぎることはないし、この問題の重要性を無視することもしない。イスラエルはこの問題については、プロセスの発展・強化に繋がる動きを見出したいという動機をもって、注意深く自覚をもって行動する」と強調した。
他方、アメリカの雑誌「タイム」とのインタビューにおいてオルメルト首相は、パレスチナのイスマーイール・ハニーヤ首相のことを「テロリスト」であると表現し、ハニーヤ首相が個人的に100万ドル以上を、イスラエルへの攻撃を行うために活動家らに運んだと非難した。オルメルト首相は、イスラーム抵抗運動「ハマース」が「ファタハ」とともに樹立したパレスチナ挙国一致内閣とは協力しないと明言した。
また、イギリスで発行されているイスラエルの「エルサレム・ポスト」紙とのインタビューにおいては、オルメルト首相は、イスラエルが「いかなるパレスチナ難民の帰還」をも拒否し、「帰還権」も認めないことを改めて表明し、「いかなる場合にも、イスラエルがパレスチナ難民へのいかなる種類の責任を負うことも、私は受け入れない。難民問題はあくまでも道徳的問題であり、この問題に関して何らかの責任を負うことを我々が受け入れるべきとは思わない」と述べた。
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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:10543 )