アンタリヤ文化自然物保全委員会は、アスペンドス古代劇場の全催事の利用停止を決定した。同委員会は、毎年のオペラ・バレエフェスティバルを含め数々の催事が行われてきたアスペンドスについて、構造上かつ緊急を要する安全上の問題を指摘し、全面的な修復が行われるまで、見学を除きあらゆる催しの上演を停止することが適当とした。
委員会はこの決定を下すにあたり、アンタリヤ博物館とアンタリヤ記念碑管理局の劇場の状態に関する報告も考慮した。
同委員会は、1995年にアスペンドスの催事利用にいくつかの条件をつけ、対策をとることを要望したと説明している。しかしこれに反して対策はとられず、修復も行われなかったという。委員会に提出された報告書によれば、5000人収容の客席部分に収容可能なのは最大でも2500人で、上段の階への収容は不可である。
■上演による損害は紛れもない事実
保全委員会は、2007年3月7日にアスペンドスに関する決定において次のように述べている。
「上演が文化財に与える損害はすでに広く認められている事実である。古代遺跡がこうした利用から影響を被ることが判明し、催事に訪れる人々の乗り物がもたらす震動や群集の重量が、深刻な崩壊の原因になっている。
アスペンドス古代劇場がセルジューク朝時代にも構造的な問題を抱えていたことは、当時行われた修復とともに文書に記載されている。」
■ムスタファ・エルドアンとアスペンドスの契約
文化観光省は官費で設立した会社を通じ、劇場を1日につき1万から1万5千トルコリラで貸していた。文化観光省は今年第14回を迎え、1ヵ月半ほど行われるオペラ・バレエフェスティバルをここで行っていた。2006年に文化観光省は同フェスティバルに300万トルコリラを投じている。今年は「ファイア・オブ・アナトリア」の芸術総監督であるムスタファ・エルドアン氏と契約を交わした。この契約では、エルドアン氏は90万トルコリラでフェスティバルの開催を指揮し、フェスティバル後はシーズン終了までアスペンドスを無料で使用することになっていた。
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( 翻訳者:塚田真裕 )
( 記事ID:10622 )