エルドアン首相に立候補要請多数 首相は野党との対話避ける
2007年04月11日付 Radikal 紙

 エルドアン首相は公正発展党(AKP)党員らに弁明:
「大統領選挙に関し野党とも対話を行う予定であったが、共和人民党(CHP)バイカル党首、民族主義者行動党(MHP)バフチェリ党首、祖国党(ANAP)ムムジュ党首が私の妻を引き合いに出したことにより断念した。」

 AKP所属の国会議員らと誰が大統領として適任かを議論したエルドアン首相は、大統領選挙期間中諸野党との会談を考えていたにもかかわらず、これを断念したことを発表した。
 首相は大統領選挙に向け、AKP議員の見解を集約するために昨夜は遅くまで2グループから成る議員らと議論し、興味深い提案や方策に触れた。大統領にならずに、AKP党首および首相であり続けることを望む議員らさえ「最終決定は首相、あなたが決めてください。我々はそれを支持します」と言っている。さらにメルスィン選出議員エルは「大統領になってください」と話すとともに、興味深いその理由も発表した。エル議員は自身が4期議員を務めており、2007年の選挙で5期目に入ることを強調しつつ、「私はずっと妻とともに大統領官邸を訪問してきました。しかしセゼル大統領が就任した時初めて、妻にその門は閉ざされてしまったのです。5期目にはぜひ、首相が大統領になることで官邸へ再び妻と一緒に行けることを願っています。このことをあなたに期待しています」と話した。

■ ヤルチュンバユル議員、367名を強調

 ブルサ選出議員エルトゥールル・ヤルチュンバユルもまた、野党と高等教育機構が強調している大統領選挙の第一次投票ではトルコ大国民議会(TBMM)に 367名以上の議員が出席しなくてはならない、という規則を指摘し、これが無視されるべきでないと主張した。ヤルチュンバユル議員は「法律家の意見は分かれている。選挙後に論争が起きるべきではなく、これに注意しなければならない。TBMMに必ず367名の議員を出席させることはAKPの義務である。さらに歩み寄った姿勢を見せるべきであり、状況を緊迫させるべきではない。野党とは対話のための礎を築くべきである」と話した。また彼は個人的見解として、この条件ではエルドアン首相が大統領候補になるべきでないという立場であることも明らかにした。
 この言葉をうけエルドアン首相は次のように発言した。「大統領選挙期間中、私のカレンダーや手帳には全政党を訪問する予定も書かれていた。国会内外いずれの政党と会談する予定だった。CHP、MHP、ANAP、DYP(正道党)と会談し、バイカル、バフチェリ、ムムジュ、またDYPアアル党首を訪問することになっていた。過去にも何人かの党首と会談したことはあった。しかしバイカル、バフチェリ、ムムジュは私の妻を議論の対象とした上、私のプライベートにまで言及し、受け入れられないほどの聞き苦しい表現や解釈を行った。緊迫状況を起こそうと躍起になっているのだ。それにも関わらず彼らは「歩み寄れ」と言う。対話の機会を閉ざしたのは彼らであり、私ではない。野党との交渉もしたいが、それには限界がある。彼らがあのような発言をしたことにより、今更訪問したとしても利益よりもより損害をもたらすに違いない。このような理由から私は会談を断念したのだ。」

 エルドアン首相がアアル党首に対し批判的な態度をとらなかったことは、この状況下においてもまだ会談が行われる可能性があることの表れと解釈された。オルドゥ選出議員タシチュは、首相に対し「首相のままでいるべきです。AKPはエルドアン首相を必要としています。AKPはさらに4期政権を務める可能性があり、首相はこれを見守るべきです。そしてAKPからの大統領候補は2人以上にすべきです。民主的状況とはそういうものです」と発言。またトルコが大統領制、または半大統領制に移行するべきだと述べた。

 国民は能力を持つ現役の首相が大統領になることを望まない可能性がある、と指摘するカフラマンマラシュ選出議員アヴニ・ドアンもまたエルドアン首相に対し、「大統領になるべきではありません。その職は首相には窮屈でしょうし、党首として、また首相として留まることが正しい選択です。国民は首相としてのエルドアンを期待している。しかし、最終決定権は首相にあります」と話した。

 イスタンブル選出議員アズミ・アテシは、「99%ではない。100%エルドアン首相が大統領になるよう求めている。妥協の余地はない。」と話す一方、アンカラ選出議員エユプ・サナイは「党組織とも会談した結果、全体的な見解はエルドアン首相が大統領になることを推しています。私も個人的には大統領になってほしい」と発言した。

■ Ula uşağum (黒海地方の方言:おいお前)が話題に

エルドアン首相が議員らと行った会談では興味深い対話も見られた。TBMM保健委員会委員長ジェヴデット・エルドルは首相の健康状態を指摘し、「首相の健康状態さえ大統領候補になることを必要としています。大統領になるべきですよ」と話した。首相もまた、リゼ県で「大統領になって休んでください。」「おいお前、大統領官邸は休憩所なのか?」という対話を持ち出し、「黒海出身の同郷人はわかっているようだ」と発言。またアンカラ県議員ヤルバイによる「大統領になるものは皆死人となってしまう」との発言をうけ首相は、「必ず誰かが大統領になるのだが、誰が死人となるのだろうか?我々は誰を犠牲にするのか?」と返答した。

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( 翻訳者:上田悠里 )
( 記事ID:10624 )