【社会部】イラン・イスラーム共和国治安維持軍(NAJA=日本の警察にあたる組織)の密輸品取締班はペルシア湾で、密輸した石油59万7000リットルを積載していた船舶2隻を抑留、乗組員全員を逮捕した。
NAJAの経済犯罪取締捜査局のソルターニー局長(大佐)は、本紙記者の取材に対して「2隻の船舶の船長とイラン人および外国人乗組員は取り調べの中で、密輸した石油はペルシャ湾海上の漁師や商人の小型船から購入していたことを認めた」と述べた。
同氏はまた「エスファンド月15日(2007年3月6日)に消息筋から、ペルシア湾海上で、漁業用船舶及び商業用船舶によって石油が密輸されるとの情報を入手した」とし、さらに「捜査官らははただちに船舶を抑留し、乗組員11名全員を逮捕した。乗組員は、2名がイラン人であったほかは、インド、バングラデシュ、フィリピン国籍の外国人であった。さらに州の国営石油製品配給公社と協力して船舶の燃料を積み降ろしたところ、21万4666リットルの軽油を積んでいたことが明らかになった」と語った。同氏はまた「この船舶の船長は取り調べに対して、密輸した石油1バレルあたり60万トマーン(約7万6千円)を支払っていたことを認めた」と述べた。
NAJAは今回の取調べ後、ファルヴァルディーン月3日(2007年3月23日)に別の船舶が同じ手口で石油を密輸することを突き止めた。電撃作戦の結果、当該船舶を拿捕し、船長と乗組員(うちイラン人5人、外国人8人)を逮捕した。この船からも総量38万2667リットルの密輸石油が見つかった。
外国籍の船長は取り調べにおいて、小型船の所有者に密輸燃料の引き渡しに対する見返りとして、取り引きの度に小型船の船長名義で為替を発行し、さらに総額100ディルハム〔アラブ首長国連邦の通貨。100ディルハムは367ドルに相当〕を報酬として渡していたことを認めた。
ソルターニー氏によると、この船舶を捜索したところ、領収書500枚が見つかり、そこには複数の小型船船長の氏名その他や、引渡し燃料の量および報酬額が記載されていたという。
同氏はまた、「起訴された船員の調書を司法当局に送ったところ、裁判官は船長には保釈金6000億リヤール(約76億円)で、乗組員についてはそれぞれ3億リヤール(約380万円)で保釈することを決定した」と語った。
その一方で、密輸の首謀者や逃亡中の小型船船長らの身元割り出しのための捜査が、現在も続けられている。
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( 翻訳者:中根敦 )
( 記事ID:10700 )