大統領候補ギュル外相:社会を団結させ、包容力をもちたい
2007年04月26日付 Zaman 紙
公正発展党の大統領候補となったアブドゥッラー・ギュル副首相兼外相が、当選したあかつきには「どのような大統領」となるのかを本紙に語った。
ギュル外相は、何よりもまず大きな責務を負ったのを認識しているとし、大統領になったら「団結と包容」に力を注ぐことを明らかにした。ギュル外相は、全党と会談して対話し意見に耳を傾けるのが大切であり、このことがトルコにとって真に必要であると述べた。
また、「国民の価値観を擁護し、同化して、そして共和国の原則に導かれて、トルコを現代的文明に導かねばなりません」と話した。そして、国家機関が相互に調和し融合することの重要性について、以下のように語った。
「全ての国家機関が力を合わせ、協力することが必要です。そのために特別に尽力します。国内外でトルコが承認されるには、この方法を措いて有り得ません。国家が力強くなる必要があります。そのためには民主主義、経済力、軍隊も力を持つことが必要です。民主主義の行き渡った国は、経済力も強いのです。そのような国家の前には、何の障害も立ち塞がりません。」
自身の立候補は完全に、(レジェプ・)タイイプ・エルドアン首相個人の意思であったとしたギュル外相は、「首相の辞退と自己犠牲は、私達の行ってきた政治スタイルを理解してくれた人達に、当然受け止められなければいけません」と話した。
アブドゥッラー・ギュル外相は、公正発展党の政治スタイルについて触れ、トルコの政治に新しいスタイル、新味を持ち込んだと説明した。この話題についてギュル外相は、「古い政治と新しい政治」とを区別し、古い政治スタイルの理不尽な怒りに慣れ親しんでいる者たちは、公正発展党のスタイルに期待する反応をうかがうことができなかった、と強調した。ギュル外相は、次のように語った。
「なぜなら私達のスタイルは異なるからです。古い政治スタイルに慣れてしまった人々とって、私たちの党の設立とその後5年間続いている調和、地位や立場に拘泥せず、政策上の競合にも関わらず紳士的な態度に意を配るさまは、奇妙な行動のように映るでしょう。だが、私たちに古い政治スタイルを期待してはいけません。
例えば、タイイプが私を候補者に推したことは、全て彼自身の選択なのです。仲間たちも私を推薦してくれたのです。首相の辞退と自己犠牲は、私達の行ってきた政治スタイルを理解してくれた人達に、当然受け止められなければいけません。」
アブドゥッラー・ギュル外相は、個人的な願望を国事の前面に押し立てるのを差し控えてきたとし、国事と関わる地位は誰でもが就けるものではないとした。重要なのは、この国に献身することであり、公正発展党は創り上げた模範的スタイルでトルコ国民の望む特性に具体的な形を与えた、と語った。
ギュル外相は、国民が自分たちのスタイルを認識していると述べ、以下のように結論づけた。「国民の(私たちへの)熱い期待は、自己献身、奉仕精神に向けた私たちの営みに由来しています。ただこうした態度は、私達の党の議員だけではなく、全ての議員が評価する基準となるものです。私達に投票するかしないかは別の問題です。しかし私達が政治に持ち込んだ新しいスタイルの評価も、また別問題です。私達はトルコの政治史上に、一つの模範例を与えたと考えています。」
ギュル外相は憲法裁判所(設立45周年の)のレセプションで、「大統領、国会議長、首相が同じ党から輩出されるのは、国のあり方や民主主義にとって避けるべきこと」との批判に対してイラクの例を挙げた。全てが憲法で明確に規定されているとし、「トルコはレバノンやイラクとは違います。『大統領はこれこれから、首相はこれこれから、議長はこれこれから選出する』というような。もっと率直に言いましょう。イラク憲法のような、大統領はシーア派から、首相はスンナ派から、他はドールズ派から、というような決まりはありません」と述べた。
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( 翻訳者:西山愛実 )
( 記事ID:10733 )