参謀総長がけん制 -世俗主義が犯されれば軍部は行動をとる
2007年04月28日付 Milliyet 紙

昨夜行った声明で、参謀本部は、共和国の根本的価値が犯され、反動的行動が強まっているとし、トルコ国軍は世俗主義に賛同するものである、と伝えた。参謀本部は、文民指導者の一部が、反動的行動を防ぐ代わりにこれらに許可を与えるのは深刻な問題と注目し、法が国軍に与えた権限を行使する決意であると強調した。

参謀本部は、初回投票が実施された5時間後に発表した声明で、世俗主義に反対する活動が増していることに注目した。インターネットサイト(www.tsk.mil.tr)で23時20分に発表した声明で、参謀本部は、ヤシャル・ビュユクアヌト参謀総長の「表面的ではなく本質的に共和国に結びつく」という言葉に強調が置かれた。

声明は次のように述べられた。

■ 代替えの式典

世俗主義を始めとした、トルコ共和国の根本的価値を犯すために、倦まずたゆまず力を尽くす一部周辺の者たちは、こうした努力を最近増しているのがうかがえる。

(活動に)適した環境で絶えず関係責任者の関心に供されているこうした活動は、(国家の)根本的価値を問いただして再定義を要求することから、国家の独立と国民の統一・協調の象徴である国民の祝日に対して代替えの式典を企画するに至るまでの、広範囲にわたる活動を含んでいる。

こうした活動を試みる者たちは、人々の信心を私的な目的で利用することに躊躇せず、国家へのあからさまな挑戦に変じるこうした努力を、信仰を隠れ蓑にして、本当の目的を隠そうとしている。特に女性と幼い子供たちがこの種の活動で重要と位置づけられることは、国家の統一と一体に対して行われる破壊主義者と分離主義者の行動と、驚くべき類似性をもっている。

■ 事例の列挙

こうした文脈で、アンカラで4月23日の国民主権と子どもの祝日と同じ日にコーラン詠みコンテストが企画されたが、敏感なメディアと世論批評の結果、この活動は中止された。

2007年4月22日にシャンルウルファでは、(周辺の)マルディン、ガズィアンテプ、ディヤルバクルといった諸県からやってきたいくつかの団体も参加して、行事進行時間には就寝している必要があり、年齢の点でも相応しくない前時代の服装をさせられた小さな女の子たちの斉唱隊は神を称え誦えさせられ、この間にアタテュルクの写真とトルコ国旗を下ろそうと着手されて、この夜会を企画した者たちの本当の目的と意図が明らかとなった。

さらに、アンカラのアルトゥンダー郡では「(ムハンマドの)降誕祭」のため郡中の全校長に参加が命じられ、デニズリでは県宗務局と政治団体が共同開催した活動で小学校の生徒たちは頭にスカーフを被って神を称え誦え、デニズリのタワス郡に属するニクフェル居住地区では4つのモスクがあるにも関わらず、アタテュルク小学校で女性向けの説教と宗教談義が行われたというようなニュースも不安の眼差しでみられた。

■ 責任者たちは知っている

学校でおこなうべき祝典は、国民教育省が関連する訓令で明示された。しかし、この種の祝典が訓令以外で出される通達により実施されるのが確かめられ、関係諸機関は参謀本部により通知を受けたにも関わらず、いかなる停止措置も採らなかったことが明らかとなった。

挙げられた活動の相当部分が、この種のことに干渉し、妨げねばならない文民の責任者が許可・認知して実施されたたことは、問題をより危険な状態にしている。こうした例を重ねることは可能だ。共和国に反対し、国家の根本的価値を犯すこと以外の目的をもたない、こうした反動的な考えは、ここ最近のいくつかの事態の展開と発言に勇気づけられて、活動範囲を広げている。

我が国での事態の展開は、宗教をもてあそび、信仰を政治的発言や目的に利用することが導く大惨事への警告と捉えるべき例で満ちている。神聖な信仰の上に課すようつとめられた政治的発言またはイデオロギーが、信仰を追いやって、他のものに変じることは、国内外でうかがうことができる。マラトゥヤで起こった出来事(注)がこの顕著な例といえよう。

トルコ共和国が現代的な民主主義国家として平穏と安定の中で過ごす唯一の条件は、共和国憲法で明らかにしている基本的な特質を擁護することで叶うことは疑いない。

先に挙げた行動と実行は、参謀本部が2007年4月12日に行った記者会見で述べた「共和国の政治体制に表面的ではなく本質的に結びつき、これを行動に反映すること」という原則を完全に否定し、憲法の基本的な特質と条文を侵しているのは紛れもない事実である。

ここ最近、大統領選の期間に生じた問題は、世俗主義に関する議論を焦点としたものである。この状況を、トルコ国軍は不安の眼差しでみている。忘れてはならないことは、トルコ国軍がこうした議論で立場をもっており、世俗主義の絶対的な擁護者であることだ。

■ トルコ軍の任務を遂行する

さらにトルコ軍は、展開中の議論と否定的な解釈には絶対に反対であり、必要であれば態度と行動を、明確かつ具体的な形で明らかにするだろう。この発言を疑ってはならない。

つまり、共和国の建国者である、偉大なる指導者アタテュルクの「トルコ人であることは何と幸せなことだろう!」という理解に反対したすべての者は、トルコ共和国の敵であり、そのようになろう。トルコ国軍は、この特質を守るために、法によって国軍に与えられた明確な任務を完遂することに関して揺るぎない決意を護持しており、こうした信念は絶対的なものである。

■ 1万1千の活動

ジュムフリイェト紙の4月24日の報道によると、今年トルコ社会で降誕祭週間に合計11,723の行事が実施された。報道では週を通してイスタンブルで620、カイセリで529、トラブゾンで523、ヨズガトで422、カスタモヌで390、ウスパルタで379、スィヴァスで377、メルスィンで338、マニサで322、エラズーで321の行事が行われた、と伝えた。

(注)最近起こったマラトゥヤのキリスト教関連出版社の襲撃と殺害

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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:10756 )