ギュル候補撤回はなく、司法判断次第では解散総選挙へ
2007年04月29日付 Radikal 紙

深夜、エルドアン首相は重要スタッフらとの会談を開き、最新の状況について協議した。エルドアン首相は国家諜報機構のエムレ・タネル事務次官から事実関係の報告を受け、その後ビュユクアヌト参謀総長と電話会談を行った。

政府は昨日の進展について協議し、以下のような方針をとった:ギュル外相は立候補の取り下げを行わず、司法判断にゆだねられる。憲法裁判所が「367議員の投票参加が必要」との判断をした場合には、第2回投票が行われず、総選挙に進む。


(レジェプ・)タイイプ・エルドアン首相は、参謀総長の声明について複数の大臣とAKPの幹部とともに協議した会合で、アブドゥッラー・ギュル外相の大統領候補取り下げをおこなわず、憲法裁判所の判断を待つとの党決定を下した。エルドアン首相は、ヤシャル・ビュユクアヌト参謀総長との電話会談(の内容)に関して重要スタッフらに、「直接会談であればよかったのだが・・・。相応しくなかった」と(電話の中で)述べたと伝えた。

参謀本部の広報局は一昨晩(27日)10時45分を過ぎ、参謀本部の広報番記者に電話をし、「10分から15分の間」トルコ国軍(TSK)のホームページに声明を発表すると明らかにした。

発表の後、首都の動きはスピードアップした。エルドアン首相は自らの重要スタッフや軍と密接だと思われる人物に電話をし、「何が起きたのか」と質問を投げかけた。その後で、エルドアンは首相官邸に戻り、大臣や重要スタッフらと会談した。

官邸には、大統領候補のアブドゥッラー・ギュル外相、メフメト・アリー・シャーヒン副首相、アブデュッラティフ・シェネル副首相、アブデュルカーディル・アクス内務大臣、ジェミル・チチェキ法務大臣、レジェプ・アクダー保健大臣、アリ・ババジャン国務大臣、ベシル・アダイ国務大臣に加え、メフディ・エケル農業村落事業大臣もいた。

アダナ選出のオメル・チェリキ国会議員がエルドアン首相の協議の準備にあたった。協議中、国家諜報機構エムレ・タネル事務次官が来て、政府関係者に事実関係を報告した。協議の最中に、エルドアン首相はヤシャル・ビュユクアヌト参謀総長と電話で会談した。

昨日(28日)エルドアン首相は一日中、首相官邸で複数の大臣と重要スタッフと事態の進展について協議した。協議では事態の詳細全てが把握され、ギュル外相は立候補を取り下げず、最後まで憲法が定める選挙期間を全うすると決定された。この決定に従い、公正発展党AKPは、憲法裁判所の大統領選に対する判断を待ち、その後で裁判所の判断に沿って自党の態度と指針を明らかにする予定である。

裁判所が「367議席は必要なし」との判断を下した場合、ギュル候補をそのまま押し立てて、第二回の投票が行われる。憲法裁判所がCHPの主張を考慮し、第1回目投票が無効になった場合、新たな党判断が下される。AKP内では裁判所が「投票には367人の国会議員参加が必要」との判断を示せば、第2回目投票が行われないとの見方が大勢を占めている。

■ 総選挙、早ければ7月にも

協議では、憲法裁判所の判断によっては総選挙が早期に行われるとの決定も下された。裁判所がギュル候補の行く手を阻むような判断を下した場合、AKPは(総選挙が)最も早くて7月中に実施されるよう、野党との妥協点を探りながら選挙日程を発表する模様である。25歳の被選挙権、無党派候補の選挙名簿への記載を見込んだ法整備に関して、(野党と)妥協ができた場合、憲法が修正される予定である。

エルドアン首相は協議中、ヤシャル・ビュユクアヌト参謀総長との電話会談についてコメントした。

■ 直接対談だったら・・・

入手した情報によれば、エルドアン首相は、(ビュユクアヌト参謀総長との)電話会談は建設的で有益なものであったとし、参謀総長に「声明には誤解を生む表現があった。政府に疑心暗鬼を抱かせた。我々が直に向き合って、この件を話していれば。ホームページからの(発表は)相応しくなかった。声明で言及されるいくつかのことに関して我々は敏感になっている。共和国の検事長らは必要なことを行うだろう、いや行っているのだ」と伝えたと述べた。

エルドアン首相は、およそ20分間の電話会談の中でビュユクアヌト参謀総長が「国軍がひどく敏感となったことがあり、見解を世論と共有する必要性を感じた」と語った、と述べた。

エルドアン首相は協議の後、ヴェジディ・ギョニュル国防大臣と30分間話し合った。AKP議会内会派代表のサドゥッラー・エルギンは、事態の進展に関して「憲法の条文は絶対的である。すでに始まった選挙期間をやめる可能性はない」と話した。

■ アルンチ、「当然だ」

トルコ大国民議会のビュレント・アルンチ議長はといえば、昨日イスタンブルからアンカラに発つ前に、以下のように語った。

「おおよそ次のように考えている。トルコ国軍は世俗主義に対する彼らの考えを再び表明した。これは当然のことである。我々は皆、世俗主義に対して何らかの考えを持っている。これがとても重要な原則であると皆知っているのだ。以上がこの声明から私が理解したことである。」

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( 翻訳者:松岡聡美 )
( 記事ID:10763 )