エルドアン首相:民主主義に銃弾が打ち込まれた
2007年05月03日付 Radikal 紙

首相は、大統領選の第一回投票を無効にするという憲法裁判所の決定を尊重していることを述べ、その後次のように付け加えた。選挙が議会で行われることが阻止されてしまった。このことは民主主義に銃弾が打ち込まれたといえる。

タイイプ・エルドアン首相は、憲法裁判所が大統領選の第一回投票を無効すると決定した過程を評価する一方、「大統領が議会で選ばれることが阻止されてしまった。このことは民主主義に銃弾が打ち込まれたといえる」と述べた。首相は「我々はスカーフを被るかどうかということで、どんな差別もしなかったし、現在もしていない。全国民の権利を守ってきた。我々は宗教を中心にすえた政党ではない」と述べた。また、「共和国ミーティング」(註)についても触れ、「彼らが言っていることは周知の事実である。『トルコは世俗主義国家であり、世俗主義は維持される』。我々は(彼らの)正反対のことを言っているのではない」と話した。エルドアン首相は、昨日(2日)召集された公正発展党会派グループ集会で次のようなメッセージを伝えた。

■決定を尊重
憲法裁判所が発表した決定に敬意を持って受け入れることを再び申し上げたい。この決定は法的次元で深く議論されるであろう。もちろん大統領が議会で選ばれることは阻止された。つまり今後議会で大統領を選出することは、もはやほぼ不可能となった。同時にこのことは何を意味しているか、あなたたちは分かっているか?これは民主主義に打ち込まれた銃弾であるということだ。これは、国民の多数が手放した“意思”を、少数者の“意思”に任せることである。このようにこれは我々の前に立ちはだかる障害であり、この障害を乗り越えるために国民投票が必要ならばそれを実施するつもりだ。

■バイカル氏は挑発している
デニズ・バイカル氏は、憲法裁判所の決定までの過程が、自らの考えの通りにうごくよう、言葉を巧みに使っていた。このことは憲法と法の優越性そして民主主義にとって非常に不幸なことだと捉えている。この言葉はわが国の政治史に残る無責任さの一つの例と言える。憲法裁判所が彼の予想に反した決定を出した場合、トルコが衝突といった状況に引き込まれることになるという発言が何を意味しているのかを、われわれ国民はよく知っている。この説明をも求めることになるだろう。政敵からだけではなく憲法裁判所からも、自身の望み通りの決定を期待しているということを公言することは、トルコへの、そして民主主義に対しての最大の不正ではないか?バイカル氏はこれを行ったのだ、混乱を招く者となることを選んだのだ。挑発の道を選んだのだ。

世俗主義は全国民に保障
■我々は宗教を中心に据えてはいない
我々は今まで、スカーフを被っているかどうか、また信条の違いによる差別をしてこなかったし、また今後我々がそうした差別をするとは思わないでほしい。我々は宗教を中心に据えた政党ではない。世俗主義は全ての人にとって保障されている。誰も共和国、民主主義を独占するようなことはしないでもらいたい。世俗主義そして民主主義的立憲体制のための社会的法治国家として、あらゆる試みや非合法的活動に関し、我々によりこれまで同様今後も注視されることになる。

■一所に逃げ込まないように
アタテュルクは苦難の日々にも聖なる屋根の下(モスク)にやってきて、この場所に助けを求め、この場所で得た決断に基づき、一歩を踏み出したのだ。(彼の行動の)源にあるものは、この場で得た決断である。誰であれ一所に逃げ込んだまま、メッセージを発してもらいたくない。

■集会の反応
各地で様々な集会やミーティングが行われている。我々はその全てに敬意を払う。政府に警告したいと思う者もいるだろう。彼らを心配する必要はない。しかし今選挙は始まろうとしていて、選挙は近づいてきている。我々は、歴史上に見られるように、彼らに対抗して集会を行おうとは思わない。なぜなら対立することになるからだ。しかし彼らが言いたい事は何だろうと、そのことに私はとても注目した。しかし彼らが言わんとすることは、周知の事実なのだ。「トルコは世俗主義の国であり、世俗主義は維持される」。我々も(彼らと)反対のことをいっているのではない。

■ジュムフリイェト紙への批判
ギュル氏が(大統領)候補であると発表されてから今日まで、我々が聞いた事のないようなことが論じられ始めた。よく知られているある新聞が、ギュル氏が語ってもいない、さらに思ってもいなかったある発言を横一面に見出しとして取り上げた。同紙は、過去にも同じことをした。このことは明らかにあるイデオロギーの残滓なのだ。またこのイデオロギーは国民的ではない、反国民的なものだ。これは実際、差別的であり、分裂を引き起こすものである。

■我々の力を試そうではないか(ホドリー・メイダン)
国会議員が4年間に一度の選挙プロセスで選出されること、大統領選挙が「5+5」システム(任期5年で2期続投を可能とするシステム)で行われるということは、昨夜の決定で決まったことではない。以前の政権によって議論された決定である。我々の力を試そうではないか(ホドリー・メイダン)、すぐに選挙をと我々は言ったのです。

註)「共和国ミーティング」に関しては、2007年4月9日付けZaman紙「大統領府からアタテュルク主義者思想協会に献金」を参照。

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( 翻訳者:三村麻衣 )
( 記事ID:10790 )