「メヴラーナ生誕800周年記念祭」はイスタンブルで重要な出会いの場となった。文化観光省主催の「国際メヴラーナシンポジウム」では、トルコや世界各国から知識人、学者、芸術家、作家らが一堂に会した。
この日アタテュルク文化センターは、メヴラーナによる愛の呼びかけに耳を傾ける人々で満席状態になった。
シンポジウムの初めに、ネイ奏者サドレッディン・オズチミ氏によるネイ〔注:トルコ伝統音楽で使われる笛〕のアドリブ演奏に乗って、メスネヴィーの最初の18行がトルコ語、ペルシア語、英語で朗誦された。
シンポジウムのパネリストらは、メヴラーナの世界的な重要性について語り合った。メヴラーナの第22代目の子孫にあたるエスィン・チェレビ氏は、メヴレヴィー教団の教えは世界を啓蒙し、人々の道徳を研鑽する方法を説くものと述べた。
セイイド・ヒュセイン・ナスル氏は、「彼の思想は近年、小石を水に投げ込んだ時の波紋のように広がりを見せています」と述べた。また文化観光相アティッラ・コチ氏は、すべての人類がメヴラーナの思想を必要としていると語った。「彼の教えは人間を未熟さから成熟へと導くものです。成熟に向かうならばこの教えに耳を傾けようではありませんか。」
このスピーチの後、文化観光相アティッラ・コチ氏にトルコ・ユネスコ協会会長のアルスン・アイドゥン・ウラズ氏より提携書が手渡された。
シンポジウムのもう一つの開会演説では、ケナン・ギュルソイ教授がメヴラーナの愛の呼びかけに耳を傾ける必要性を説いた。同氏はまた、人間には叡智や理解が必要であり、それらに向かって進んでいくべきだと述べた。人間とは自分自身へ向かう旅人であるとするギュルソイ教授は次のように語りかけた。「今日の人間に対し、メヴラーナは呼びかけています。グローバル化の野蛮さの中、人間が自分自身に向かうことを諦めてしまう中で、時の向こうから『来なさい』と呼びかけているのです。メヴラーナは常に自分に向かうことを呼び掛けています。愛をもってアッラーに近づくことを望んでいます。我々はひとりひとり、アッラーへと向かう連帯や叡智を求めています。この世界で最も忘れられている友情をメヴラーナから学んでいるのです。ここへ来て、一緒になって分裂をなくしましょう。」
パネリストとして参加した著名な思想家のセイイド・ヒュセイン・ナスル氏は、1時間ほども続く長い講演で、メヴラーナは東洋人でも西洋人でもなくただ人間だったと述べた。続けて、メヴラーナの使命や東洋・西洋世界での認識について語り、そして西洋ではイスラームは誤って認識されていると指摘した。「西洋でルーミーはその深い意味までは理解されず、ある新世代の人物として紹介されている。彼の精神力や普遍性から力を引き出す必要がある。そうすればあらゆる狂信主義や極端さを予防することになるだろう。」
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( 翻訳者:宇野陽子 )
( 記事ID:10845 )