大統領が国民投票によって選ばれることを見込んだ憲法改正案がセゼル大統領に提出された。改正は「早急である」とのメッセージを伝えたセゼル大統領が拒否権を発動することが見込まれる。
トルコ大国民議会(TBMM)で一昨日(10日)議決された憲法改正案は、承認のため、昨日(11日)大統領官邸に送られた。大統領が国民投票によって選ばれることを始め、急進的な改正項目を含む憲法改正について、「早急である」と述べたアフメト・ネジュデト・セゼル大統領に今や注目が移った。
国会議員総選挙が4年に一度実施されること、大統領が「5+5」システム(訳注:任期5年で1度だけ再選が認められるシステム)で国民に選ばれること、選挙を含めた全手続きを議決するTBMMでの会議の定足数は184人とすること、7月22日実施予定の総選挙で無所属議員は統一名簿に名前を記載することを見込んだ改正の2案件は、昨日セゼル大統領に承認をもとめて提出された。
セゼル大統領は、検討のため15日の期間を与えられているが、改正案を議会に差し戻す可能性が高いと指摘されている。(議会への差し戻し後)TBMMでまた同様の改正案が議決された場合、再度15日の検討期間にはいる大統領は、国民投票権を行使する可能性も指摘されている。
大統領が承認した場合、改正は官報で公布され、施行となる。拒否権を発動した場合、TBMMが再度全く同様の改正案を送れば、大統領は承認せねばならないが、これらの改正案を憲法裁判所に送ることができる。この場合、憲法裁判所は単に手続き面から判断を下すことができる。裁判所送付措置に加え、大統領は、改正案を国民投票に持ち込む権利を行使することもできる。
セゼル大統領は、議会制度を死に至らしめる性質を含む改正案について、「非常に短期間で、また政治的考慮により議題にあげられており、適当ではありません」というメッセージを世論に訴えた。レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、一昨日(10日)大統領に対し、「これらの問題は、短時間で討議された問題ではありません。何年もの間トルコで議題に上がっていました」と返答した。
エルドアン首相は、改正案がセゼル大統領からTBMMに差し戻された場合、大統領に再提出するだろうと語り、「(選挙に)間に合うかでしょうか?」との質問に対し、「全て計算しています」という表現を使った。
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( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:10873 )