デミレル元大統領、大統領直接選挙への異論に反対
2007年05月14日付 Yeni Safak 紙

9代目の大統領を務めたスレイマン・デミレル元大統領は、バフチェシェヒル大学ベシクタシュ・キャンパスで開催された「グローバル・リーダー・フォーラム」にて講話を行った。

そこで、講話の後に参加者の質問に答えた際に、「『大統領の地位はその性質上、直接選挙のような誤った方法で選ばれたなら、政治を全うに行うことができなくなる』、という意見があるが、これは、国民を信頼していないということである。私はこのような意見に反対である。トルコ国民の見識や成熟度を信頼していないということになる。また、『主権は無制限かつ無条件に国民にある』というのも口だけで、信じてはいないことになる」と話した。

元大統領は、トルコでは、地区村長、市長、国会議員などはトルコ国民が選び出し、選出された国会議員が政府を成すが、唯一大統領だけを選ぶことが出来ない、と述べた。また、法学者の意見に、『国のシステムが議会制ならば、大統領を直接選挙で選ぶことはシステムにそぐわない』というのがあるが、このような所見に納得できないという。

さらに、「この段階で、大統領制に移行しろとは言わないが、システムとして、議会制が機能せず、国民の望むようにすることができないのであれば、こうした現状制度に留まることができるだろうか。もし、システムが機能しないのであれば、ただ、議会制の維持ということだけで現状を支持することはできないだろう」と話した。

■「国民に選ばせよう」

これに加えて、「80年代は、トルコで大統領を選出できなかった。毎回、大統領選挙になると悪夢のような状況になる。(今までの)10人中6人の大統領が軍出身者である。もう、トルコで大統領選出を議論するような状態を抜け出ようではないか。今やっとこのことが転換点に来たのだ。それでもトルコではこの話は騒がれ議論されようが、実にいま私はこの議論へどっぷり浸かっている。やめよう、国民に選ばせよう。国民の先頭に誰が来ようとそのようにさせればよい。7千万人のトルコ国民が大統領になる人物を選出できないようなことがあろうか」と話した。



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( 翻訳者:堀ノ内夏子 )
( 記事ID:10891 )