レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、国際新聞編集者協会(IPI、本部ウィーン)による総会の会期最終日に参加。首相はある質問に対し、「軍はトルコの一機関にすぎず、参謀本部は私の下にある」と述べた。
エルドアン首相は「宗教と政治が区別されるのと同様に、世俗主義と政治も区別されるべきである。世俗主義国家を擁護するという意味では私は世俗主義の立場をとる。しかし、それがイスラームに対するものとして存在するならば、支持することはできない。」と発言した。同首相は世界最高峰のメディア機関の編集者達に語りかけ、「世俗主義で、社会的秩序のある民主主義国家としてのトルコにおいて、軍の役割は明確だ。軍はただの一機関にすぎない。参謀本部は私の下にある。」と語った。
首相は、昨日ヒルトンホテルで開催された第56回IPI総会の最終日に登場し、次のように話した。
■ 分極化などない
「残念なことに我々は、世界の報道界でしばしばトルコに関し、過去の出来事から来る偏見による決まりきったニュースが流れ、解説されているのを目にしている。他にも例えばフランスでは、破壊的な集団デモが混乱を引き起こしたのを目撃した。誰もこの光景を見てフランスの分極化を問わなかった。トルコで人々が成熟した民主主義社会において、暴動や暴力に訴えることなく集会を開けば、すぐに『トルコには二面性がある』と言われ始めた。起きていることや、様々な要因で共存する異質な集団を考慮した時、トルコで分極化が起きていると考えられるべきではないのだ。」
■ 世俗主義は我々の生活形式である
「この国では皆が宗教と政治が同化することに反対だ。世俗主義は我々皆の生活形式を保証するものとして考えられている。もちろん民主的な政治闘争は互いの差異化をもたらすが、この差異化は民主主義、世俗主義、宗教のような人間の共通価値についてなされるべきではない。宗教と政治が区別されるのと同様に、世俗主義と政治も区別されるべきなのだ。」
■ 参謀本部は私の下にある
エルドアン首相はインターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙(IHT)の編集責任者マイケル・オレスケス氏、ノイエ・チューリッヒャー・ツァイトゥング(新チューリッヒ)紙の編集責任者マルクス・スピルマン氏、ラディカル紙の記者アルタン・オイメン氏からの質問にも回答した。同首相は、スピルマン氏の「トルコ国軍(TSK)の役割には全く触れていませんね」との言葉に対し、「トルコには様々な機関がある。世俗主義で社会的秩序の整った民主主義国家であるトルコにおいて、軍の役割は明確である。参謀本部は私の下にある。ここで他の機関について言及しないのと同様に、軍についても触れるつもりはない。軍は様々な機関のうちのひとつに過ぎず、その権限は首相が持っている」と話した。
■ 国民は自由だ
エルドアン首相はオイメン氏の「『クーデターにノー、シャリーア(イスラム法典)にもノー』というスローガンが掲げられた。これは懸念の表れだ。この懸念を解消するために何ができるのか?」という質問に対し次のように返答した。
「我々はたった6ヶ月間ではない、4年半の間政権を握っている。この4年半シャリーアによる統治もクーデターも起きなかったにも関わらず、なぜ今このような問題が起きているのか? この事態の本質はなんなのだろう? このような状況は、国民の自由について偏向した話をすることになってしまう。たとえば、誰かがプラカードを掲げて「こんなことがある」と言ったとき、我々政権に着く者までが「そうだ、あるぞ」などと言い出すとしよう。このようなことはトルコ国民に対する不当行為である。国民は広場や集会で、権利を民主的に求めることにおいて自由である。しかし、政府がある派閥の側につくことはない。」
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( 翻訳者:上田悠里 )
( 記事ID:10905 )