ニューヨーク・タイムズ紙「世俗主義派より宗教的な人々のほうが近代的」
2007年05月16日付 Yeni Safak 紙
トルコでの最近の政治危機を取り上げたアメリカのニューヨーク・タイムズ紙は、トルコの近代化に関しては、公正発展党(AKP)を厳しく批判する世俗主義派より宗教的な人々のほうが近代的、と述べた。
同紙はトルコでの最近の危機に関してコンヤにおける変化を取り上げている。かつてコンヤでは特に女性に対して権利を制限する施策が行われていたことに言及し、最近のデモで訴えられた懸念とは反対に、エルドアン政権は都市で穏健的な影響を及ぼし、閉鎖的な社会を開放するため、より柔軟な状態にすることを手助けしたと強調した。
エルドアン政権の対応はトルコにおけるイスラム運動の変化の表れであると述べ、「イスラム運動は、前任者の制限を放棄し、EU加盟の利益を証明したエルドアンのリーダーシップにより成熟した。これは同時にトルコのあらゆる場所で発生したプロセスと同じ流れである。オスマン帝国の残りから国家を作った世俗主義派は、いまやトルコの近代化努力において宗教的な人々よりも遅れている」と述べた。
同紙は、最近のデモに参加した世俗主義派は宗教的な人々が変化したことを信じておらず、したがって、AKPは世俗主義をどのように守るかについてのビジョンを明らかにしていないと指摘していることに触れている。AKPにはより宗教的な社会を目指す党員もいるにもかかわらず「エルドアンの政党は、イスラムをトルコ社会の重要な要素としてみる政党の中で最も柔軟で開かれたものであり、現在までの多くの状況において、世俗主義に対し特別に配慮した行動をとっている」と述べた。
他方、トルコ全土において敬虔なトルコ人は、何世代にもわたって自分たちが二級市民であると感じてきたと指摘し、経済成長の高まりとともに、彼らが国内で、より発言権を得たいと望んでいると述べた。トルコで保守的な人々の生活様式は世俗的な方向へ変わったと解説し、宗教的な人々は未だに国家の問題について慎重な行動をとっていると強調した。
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( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:10906 )