■ ムバーラク大統領とチェイニー副大統領、和平プロセス推進と湾岸安全保障を協議
■ ムバーラク大統領:「パレスチナ問題の膠着状態を打破することこそが、地域の諸危機を解決する鍵である」
2007年05月14日付 アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
エジプトのホスニー・ムバーラク大統領は昨日正午、アメリカのディック・チェイニー副大統領と和平プロセス推進への努力やイラク安定化の方法など、中東地域の諸課題について協議した。
会談は2者のみで行われ、それに続いたパワーランチで協議は締めくくられた。エジプト大統領府のスライマーン・アウワード報道官によると、ムバーラク大統領が和平プロセスの現在の膠着状態打破への努力に焦点をあてる一方、チェイニー副大統領はイラク情勢、湾岸地域の安全保障、イラン核問題に焦点を当てた。さらに議題はダルフールやアフガニスタンの状況にも及んだという。
同報道官は、和平プロセスの膠着状態打破をムバーラク大統領が中心課題に据えているのは、この問題こそが地域の他の諸危機を打開するための鍵だとの考えからであると述べ、さらに「イラクの平穏と安定を取り戻し、宗教間や宗派間の紛争を根絶するために、ムバーラク大統領はイラクの政治プロセスを支援すると強調したが、その成功はイラク国内の融和が達成されるかどうかにかかっている」と明かした。
同様にムバーラク大統領はチェイニー副大統領との会談で、「中東和平アラブ・イニシアチブ」に今必要なのはラッピングしなおして市場に広めることではなく、イスラエル側がそれに応じることだ、と強調した。またイラン核問題に軍事的に対処する事は地域に重大な影響を与えるとしてその危険性を警告した。さらにムバーラク大統領は中東地域から大量破壊兵器を廃絶するというエジプトの願いを再度確認したという。
現地の新聞はこちら
( 翻訳者:鳥居洋介 )
( 記事ID:10912 )