ファタハとハマース、エジプトの仲介で停戦に合意
2007年05月20日付 Al-Nahar 紙

■ イスラエルのガザ地区への攻撃は継続
■ エジプトの仲介により内部衝突は沈静化

2007年05月20日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

【ラーマッラー:ムハンマド・ハウワーシュ】

ガザ地区においてイスラム抵抗運動ハマースとファタハの間の抗争が再発して以来最も真剣な一歩と評される動きとして、エジプトの治安当局代表団の後援の下でエジプト大使館において両勢力の会議が開かれ、この会議において両勢力の代表団は、午後3時までにはバリケードを撤去し武装者を撤退させ、午後4時までには拉致されたメンバーの交換を行うとの合意に達した。

パレスチナのマフムード・アッバース大統領は会議の出席者たちに電話をし、両勢力の労をねぎらい「パレスチナ人民の最大利益に目を向ける」ためにこの合意を早急に実行し尊重するよう要請した。またエジプトの治安当局代表団が抗争を止めるために行った努力を称えた。

またパレスチナのイスマーイール・ハニーヤ首相は会議の出席者たちに対し、実際に合意を実行するための実践的な段階に入るよう促し、「互いに結束し、ガザ地区に対するイスラエルの暴虐な侵略行為に立ち向かう」ことを呼びかけた。

両勢力が合意に到った内容は以下の通りである。

1.20日の午後3時までに、バリケードの撤去を開始し、集合住宅ビルから撤収し、通りにいる武装グループを引きあげさせる。

2.両勢力の人員から成る共同委員会を発足させ、エジプト治安当局代表団の人員を参加させて、今回の合意の履行を監視するため現場を視察する。

3.午後4時に双方の拉致されたメンバーの交換を行い、エジプト大使館に集合させる。

この会議にはファタハの代表者としてマージド・アブー・シャンマーラ議員とアブドゥルハキーム・アウド議員、ハマースの代表者としてはハリール・アル=ハイヤ氏とハリール・ナウファル氏、アイマン・ターハー氏が参加した。

パレスチナ自治政府内閣の公式報道官であるムスタファー・アル=バルグーティー情報相は、「停戦合意に基づいて、建物や通りからの武装者の退去やガザ地区のバリケードの撤去が始められた」と強調し、「ファタハとハマースの合意の適用に向けた努力は今後も続けられる」と述べた。

(中略)

■ イスラエル

 一方、イスラエルは空と地上からガザ地区の各地に対する爆撃をつづけた。イスラエル軍機は早朝、ガザ市東部のシュジャーイーヤ地区および南部のザイトゥーン地区に対して4回にわたる空爆を行い、旋盤工場や鉄工所を攻撃した。その結果標的となった工場は完全に破壊されて炎上し、周囲の建物などに物的被害が生じた。

 これに先立ってイスラエル軍機はザイトゥーン地区のアブー・ハリーマ家の鍛造工場をミサイルで攻撃したが爆発に到らず、その後再び爆撃が開始された。

 またイスラエル軍機はファタハ系のムラービト協会をミサイルで爆撃し、ガザ市北部のナスル通りの端に位置する同協会の本部が破壊された。

 またイスラエル軍のヘリコプターがガザ地区北部で羊飼いたちを攻撃し、サミール・アブドゥルファッターフ・マティールさん(19歳)とマーヒル・ハマド・ハシーシュさん(15歳)の2人が死亡した。

 またイスラエル軍の大砲でバイト・ハヌーン東部が攻撃され、パレスチナ人複数が負傷し、イスラエル軍の銃撃でパレスチナ人5人が負傷した。パレスチナ医療筋によるとそのうち1人は重傷だという。

(後略)

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( 翻訳者:垣平浩明 )
( 記事ID:10959 )