老朽車追放計画、予定通り進まず
2007年05月24日付 E'temad-e Melli 紙
【エッテマーデ・メッリー】老朽車の排除について以前決定した計画は、イラン暦1385年(西暦2006年3月下旬からの1年間)終わりまでに国内にある車両から25万台を処分するというものだった。しかし計画の実施時からすでに予想されていたように、この目標設定は、現状や設備、さらには老朽車追放計画実施本部の能力すら考慮せずに行われていた。
結局、決められた時期までに実行できず、期限を延長することになった。内務省の老朽車追放計画執行官のセイエド・レザー・ファーテミー氏は、昨日午前、85年の計画の達成時期の遅れと延期を伝え、「現在のこの方法を維持していけば、決められた時期までに25万台の老朽車を排除できるであろう」との期待を述べた。しかし、『現在の方法の維持』をファーテミー氏が強調する一方で、この分野に詳しい筋は、こうしたやり方を採り続けることはあまり効果的でなく、これまで老朽車の排除はそれほど成功していないし、また、決められた期限までにも終わらない、と見ている。
これにもかかわらず、ファーテミー氏は、86年の計画と今後の老朽車の廃車予定台数について、「今年中に廃車されるべき老朽車の正確な台数については、まだ発表できない」と述べている。恐らく同氏は、老朽車の国内からの追放に関する昨年の自身の経験から、新しい数値を発表するのを避けたと思われ、「82年には1000台、83年には約1万7000台、84年には3万6000台、そして85年には20万台の老朽車が廃車されており(訳者注:ハムシャフリー紙は同15万台と記載)、85年の数値はここ数年と比較してめざましい成長を遂げた」と述べた。
さらにファーテミー氏は、老朽車は老朽化した冷蔵庫や絨毯とは違うのだから、政府は全ての国民の老朽車を追放する(役目を負っている)わけではないとした上で「政府の目的は個人使用の老朽車の排除ではなく、燃料使用量の低減を念頭においている。そのため、社会一般の人の車よりも、タクシーや個人の旅客輸送車で老朽化したものが優先的に対象になっている。現段階では、希望者と老朽車の廃車の登録を、自動車販売店では行っておらず、内務省が直接希望者に対応することになる。希望者は、3月7日から21日の間(5月28日から6月11日)[ファーテミー氏曰く]www.farasoodeh.irのサイト(訳者注:実際はwww.farsoodeh.ir)より、登録が可能だ」と述べた。
▼昨年は、タクシーの新車導入台数が1万7000台に
ファーテミー氏は、「老朽車追放計画実施の中で、今年は新たな選択肢が加わった。昨年登録をしたものの対象からもれた老朽車の所有者は、便宜を受けて新しい車を購入しなくても、1500万リヤール(約19万6500円)を受け取って自分の老朽車を廃車センターに引き渡すことも出来る。」と述べた。新しい車を替わりに入れることなく、車両を排除する計画を実施する理由について同氏は、「銀行の便宜供与、(86年度予算法の)補則13に規定された財源、自動車メーカーの生産能力には限界があり、この選択肢は、こうした条件を希望する人を考慮したものである」と説明した。
ファーテミー氏は、老朽車追放計画の登録者の第2グループについて「第2グループとしては、1971年から1977年の間に生産された4気筒以上の車を対象としている」と述べた。また、タクシーの新車導入台数について触れ「82年、83年、84年には合計4200台のタクシーが新しくなった。85年には約1万7000台のタクシーが新しく導入されており、この数年と比較して顕著な値となっている」と語った。
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( 翻訳者:關岡敦子 )
( 記事ID:10985 )