ファーティフ・アクン監督、カンヌ映画祭にて喝采を浴びる
2007年05月25日付 Radikal 紙

ファーティフ・アクン(*)は、昨晩は非常に興奮した。「人生の端(英語タイトルはThe Edge of Heaven)」のカンヌでの公式上映は大成功を収め、エンディングでは観客らが立ち上がり、長い喝采を送っていた。映画の作製にあたった全スタッフは、この喜びを分かち合い、長時間に及ぶ上映を鑑賞した人々の拍手喝采が15分以上鳴り止まないのを目の当たりにした。

骨折した足をひきずってまで上映会に参加した出演俳優の1人、トゥンジェル・クルティズは、山麓にあるヴィッラで朝まで続いたパーティには出席できなかったが、ファーティフ・アクンの疲れ知らずの内なるエネルギーは、製作スタッフやパーティの多くの出席者たちーその中にトルコ人も大勢招待されていたがーの喜びを表現するのに十分であった。

ファーティフは「最も重要なことは、観客が関心を持ってくれるかどうかです。私のいくつかの映画をどれほど多くの人々が観てくれたとしても、これほど幸せなことはありません」と述べ、この昂揚した雰囲気にもかかわらず、非常に落ち着いていた。「カンヌでは、激賞された多くの作品が過去にはカンヌから何も持たずに帰ったことを(何の賞も得なかったことを)私はとてもよく知っています。今年は私にとって本当に難しいでしょう。しかし、当然ながら私の狙いはパルム・ドールです。とにかくまだ33歳ですので、時間はあります・・・」と控えめに語るのである・・・。

■リベラシオン紙では満点

実際、ファーティフが誇りで胸を膨らませ、結果を期待するには多くの理由がある。一例として、リベラシオン紙に掲載された賞賛に満ちた批評記事には次のくだりがある。
「アクンの政治的で普遍的、そして多くの側面で哲学的な性質を持つ映画は、トルコとドイツ社会を超えて、全世界に警告する危機のメッセージを、否定しえない力を伴って、浮き彫りにしている」

スペインのメディアもアクンを支持している。エル・パイス紙は、『興奮を与えてくれるもの』と評した「人生の端」が、賞レースの有力候補であると報じた。ラ・ラソン紙はというと、「アクンの作品は最良のものの一つだ」という見解を示した。
しかし映画祭出展作品を観ている批評家たちの共通の意見は、ファーティフ・アクンは賞レースには残り得ないだろうというものである。スクリーン誌の批評家たちが行った評点では、「人生の縁」は4点中2.6点に留まった。フランスの批評家たちの評価もほぼ同じだった。

*ファーティフ・アクン(Fatih Akın:日本では、ファティ・アキンとして知られる)
1973年、ドイツ・ハンブルク生まれのトルコ系ドイツ人映画監督。
2004年に「愛より強く(原題:「壁に向かって Duvara Karşı」)」でベルリン国際映画祭の金熊賞を受賞したほか、主な作品に「太陽に恋して」(2000)、「クロッシング・ザ・ブリッジ ~サウンド オブ イスタンブル~」(2005)などがある。

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( 翻訳者:幸加木 文 )
( 記事ID:10991 )