高校生らのメッカ小巡礼、今年の定員は1万1000人
2007年05月22日付 E'temad-e Melli 紙
【エッデマーデ・メッリー紙】今年は全国の小中高・大学予備課程生徒総数1400万人に対し、1万1000人がメッカ小巡礼[訳者注]に派遣される。イラン・イスラーム共和国児童協会は、大学生のメッカ小巡礼と同様に高校生らのメッカ小巡礼についても、議会で予算案を可決させようとしている。
[訳者注]メッカ小巡礼:巡礼月(イスラーム太陰暦第12月)8~10日以外に行われるカアバ参詣を指す。上記の規定時期に行われる、ムスリムの宗教的義務としての「巡礼」(ハッジ)と、それ以外の時期に任意に行われる「カアバ参詣(小巡礼)」(ウムラ)とは、本来明確に区別されるが、この記事の中ではしばしば混同されている。
イラン・イスラム共和国児童協会の統計によると、男子生徒より女子生徒のほうがメッカ小巡礼を多く希望しており、また実際の申請数も多数にのぼる。今年は、女子生徒約6400人と男子生徒約4600人がメッカ巡礼を行う。生徒らの派遣は、イラン暦第4月上旬(西暦6月末~7月初め)からラマダン月(イスラム太陰暦第9月の断食月、今年は西暦9月13日に開始)の初頭まで続く。メッカ巡礼への高校生らの派遣は今年で5回目を迎え、児童協会の海外活動として位置づけられている。
昨年は、メッカ巡礼費用として生徒1人あたり430万リヤール(約57,000円)を支払った。今年は巡礼・参詣庁による補助を見込んで、1人あたり約450万リヤール(約60,000円)が徴収される。
児童協会担当者ナビーオッラー・アフマディー氏は本紙との会見において、「引率教員の費用は、半分が児童協会から支給され、残りは自身で支払うことになる」と述べた。
(中略)
児童協会は生徒の派遣についての規則を定めており、それを最低限満たさなければならない条件としている。何よりもまず、高校3年生と大学予備課程の生徒のみがメッカ巡礼に申請登録できるとしている。また、成績が全科目平均75点以上でなければならず、そのほかの条件を考慮してくじ引きが行われ、選考される。
また、児童協会担当者は次のように述べている。「高校生らのメッカ小巡礼は、児童協会のメンバーであるかどうかとは関係ない。また、120名から成る各々のキャラバンに、優秀で能力のある生徒が約16名、児童イスラム協会連合から3名、児童民兵組織(バスィージ)から6名が割り当てられる。」
心理学者らは、「他の宗教的義務を果たすためには、法で定められた年齢に達していなければならない。同様に、メッカ巡礼についても、宗教的に定められている思慮分別のある年齢を考え合わせなければならない」と述べている。さらに、「メッカ巡礼には定められたきまりがあり、誰もが思い立ったときにいつでも行けるような他の旅行とは異なるものである」としている。
(後略)
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( 翻訳者:渡井さぎり )
( 記事ID:11013 )