バイカルCHP党首:エルドアン首相の発言は、法に対するテロ
2007年05月31日付 Radikal 紙

共和人民党党首は、憲法裁判所が下した定足数367に関する決定を受け「恥ずべきこと」と発言したエルドアン首相をひどく批判した。

テュライ・テュウジュ憲法裁判所長官が記者会見を行うことが発表された時、当社はデニズ・バイカル共和人民党(CHP)党首と同じ話題について電話で議論を交わしていた。タイイプ・エルドアン首相が29日夕方NTV放送でムラト・アクギュンの定足数367についての質問に対し、「まだ終わっていない。もっと議論が行われるだろう。これは司法にとって不幸なことであり、恥ずべきことである。」と返答した。このことが30日アンカラの議会で、その日の重大な政治問題となった。同時に司法問題にもなったといえよう。なぜならアンカラの共和国検察がこの発言を理由に首相に対し調査に取り掛かったことも話題となっているからである。

バイカルはこのことに対し「忘れてはいけません」と語り始め、次のように話した。
「首相は以前、憲法裁判所が、大統領選挙の定足数は367であると決定したことについて、『正義へ銃弾が撃ち込まれた』と発言した。この発言に対して社会からの反発があった。良識のある人々は警戒したのだ。これを受け首相は『私は共和人民党に対しこのように言ったのだ』と発言を翻した。
その後、『歴史がこの決定について判断をくだすことになるはずだ』と述べた。当時私たちはこれを、夢敗れた政治家の反応として解釈し、それ以上考えなかった。
しかし現在、首相が憲法裁判所の決定を『恥ずべきこと』として捉えていることは、以前より一層深刻な状況を招いており、私たちは以下の二つの結論をだすことになる。」

■不安定要因

「一つ目は、首相が揺れ動いていると考えてしまう。彼が何を考えているか把握できなくなってしまう。周囲の人は彼をなだめようとしているが、彼は突然爆発する。そしてその怒りの爆発が持続するのだ。二つ目は、『銃弾が撃ち込まれた』という発言は、その後変更した共和人民党をではなく、憲法裁判所を意味していたことが明らかになった。
さらに、このようなやり方は民主的法治国家において許されるものではない。これは法に対するテロ行為である。首相はよく安定を口にする。しかしお分かりのように、首相自身がトルコにおける不安定要因となっているのだ。このような人物が国家のトップにいる間、司法や他の機関とどのように協力するのか、国はどのような方向へ舵取りされるのか。
首相は29日、わが国を国境侵犯したアメリカの航空機に対し、慎重で物分りのいい態度を示したが、またバルザニーやタラバーニーにも理解と慎重さを示していたが、それらを今度は司法やわが国のその他の重要な機関にも示してくれたら、と思う。」

■リスクの伴う政治

エルドアン首相はNTVへの発言で、軍部や高等裁判所との間に問題があることを述べた。選挙になり、首相がこれらの対立を強調することは、政治的分裂をなくすのではなく、逆に助長する一歩のように思える。エルドアン首相と公正発展党執行部はおそらくこのようにして、一種の「権力の座にいる被害者」という役割を引き受け、選挙運動をこれに基づいて進めていこうと考えている。こうしたやりかたは、明らかではないが、リスクを伴うことは確実である。

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( 翻訳者:三村麻衣 )
( 記事ID:11033 )