セゼル大統領、憲法改正承認か、それとも国民投票か?
2007年06月01日付 Hurriyet 紙

アフメト・ネジュデト・セゼル大統領が、“議会制から逸脱する”との理由で拒否権を発動した憲法改正案が、370名の国会議員の賛成票により承認された。セゼル大統領は、法案を承認し40日後に新しい大統領選出のための国民による直接投票(国民による大統領選挙)を行うか、国民の総意を問う国民投票を行うことになる。

憲法草案がセゼル大統領に送られるためには少なくとも367票が必要であった。そのため、昨日(5月30日)の朝から公正発展党(AKP)と祖国党の間で様々な交渉が行われた。祖国党から「草案を支持するが、国民投票の早期実施には反対だ。もしこれに固執するのなら、我々は協力しない」とのメッセージを受け取った、公正発展党グループのサリフ・カプスズおよびエユプ・ファトサ副代表は、祖国党のエルカン・ムムジュ党首を訪問し「引き続き支持をお願いしたい。私達は国民投票の7月22日実施にはこだわらない。国民投票に関する法律は、取り上げない」と確約した。憲法改正草案の第1項「選挙を4年に1度行う」に、366の賛成票が投じられた。これを受け、共和人民党はその方法に関する議論を要請した。共和人民党のオヤ・アラスル議員は、大統領が2度目の検討にかけるためトルコ大国民議会に差し戻した改正案が承認されるには、367票が必要であると主張した。改正案のほかの条項については、祖国党および無所属層の支持が続いたため、367という最低ラインを超えた票が投じられた。

祖国党に対し、昨日午前中「国民投票までの期間は短縮しない」との確約をしていた公正発展党は、憲法改正案が承認されると、発言内容を一転させた。公正発展党グループ、サリフ・カプスズ議員長は、承認後に記者らから国民投票までの期間の短縮に関する提案について、祖国党に確約をしたか否かについて訊かれると、「それは、友人と話す。」と述べるに留めた。エルドアン首相は、トルコ大国民議会の入り口で、国民投票までの期間の短縮に関する法改正が、議会に持ち込まれるかどうかについて訊かれると、「その可能性もある。駄目な理由があるだろうか?我々は国民に、進む道を開こうとしている。私達が頭を悩ませているのはこれなのだ。」と答えた。

今後は、次のことが起こる可能性が高い。セゼル大統領は、15日内に、全改正案を承認するか一部の条項を承認し、一部を国民投票にかける、または全改正案を国民投票にかける。セゼル大統領が承認すれば、40日後に新たな大統領が国民により選出される。こうなれば、大統領選挙は7月22日に行われる。国民投票までの期間が120日から40日に短縮されなかった場合、7月22日の総選挙時に国民の前に二つの投票箱(総選挙と国民投票の投票箱)は置かれない。国民による5年+5年ごとの大統領選挙を想定する改正案が、国民投票で承認されたとしても、施行は7年後となる。そのため、7月22日の選挙で新たに誕生する議会が第11代共和国大統領を、そして第12代大統領は国民が選出することになる。

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( 翻訳者:倉本さをり )
( 記事ID:11037 )