ウィルソン米国大使:PKKは米軍にとって優先事項ではない
2007年06月02日付 Milliyet 紙

アメリカのアンカラ駐土大使であるロス・ウィルソンは6月1日、イスタンブルでおこなわれた記者団とのインタビューで、アメリカは北イラクに軍事拠点を築いているPKK(クルド労働者党)に対し、トルコが軍事作戦に出ることに賛成ではないこと、代わりにトルコが「道理にかなった、そして思慮ある」適切なアプローチを推し進めることを望んでいると述べた。
ウィルソン大使は、イラクに駐留するアメリカ軍の軍事力、警戒そして時間をバグダッドでの治安維持の問題にさらに費やしたと述べ、トルコの国境近くに軍事拠点を置くPKKテロリストは、アメリカの優先事項にはないというメッセージを伝えた。
ウィルソン大使は、トルコの軍事行動の可能性、イラクにPKKが存在するという問題、ハブル国境ゲートが封鎖される可能性、アメリカのF-16によるトルコの領空侵犯、トルコでの軍事クーデターの可能性といったような、トルコ・アメリカ関係に関わる問題について、以下のように見解を述べた。

■「賢明なアプローチ」を提言
「トルコ軍は南東部でのPKKとの闘いにおいて、とても積極的な努力をしているように見受けられる。彼らがあなた方に攻撃を仕掛けるのを待つ代わりに、あなた方が彼らを追跡することが賢明な戦略である。彼ら(PKK)が山から下りてきて行動を開始する前に、彼らを排除しなければならない。これは、我々が支持する戦略だ。国境の反対側(イラク)に関してはというと、我々の立場は良く知られているし、変更したわけではない。もちろん、トルコ政府と治安部隊は、自らの国の国民を守らなければならない。これを行うために賢明で道理にかなったアプローチを必ず見つけると、信じている。」
「トルコの政治および軍の責任者らは、利益と損失を考慮し人々を守るために必要な、道理にかないそして賢明な決定ができる人々であると私は信頼しているのです。彼らが何を行うか予測したり、あれこれ行うのではと憶測したりしたくはありません。」

■「バグダッドに焦点を当てた」
「長い間、イラクでは優先的に、重大な懸案に我々は焦点をしぼって対処している。その重きの中心がバグダッドである。我が軍は、警戒態勢の多くを、時間のほとんどをそして軍事力の大部分をこの問題に焦点を当てることを望んでいる。私は知っています、このことがここの(トルコを意味する)人々にとって憤慨すべき状況であるということを。このことを理解していますし、気持はわかります。私も心から同じような怒りを覚えています」
「私達は努力しています。そしてラルストン退役大将は、いくつかの試みにおいてー私はこの件に関してはコメントする立場にはありませんがー要の立場にいました。この試みが成功となるかどうかはわからない。また、どの程度まで成功となるかはわからない。これは、テロに対する闘いの本質をなす一部であるのです」

■「ハブル国境ゲートはとても重要だ」
イラクへの軍事作戦の代わりに、イラクのクルド人にPKKを支持することをあきらめさせるため、ハブルが封鎖されることが効果的かどうかという質問に、ウィルソンは次のように答えた。
「(イラク)連立政権のためにハブルはとても重要である。単に北部に住んでいるものたちにとってだけでなく、全イラク国民が支援され、物品が支給されるための人道的支援という観点からも非常に重要である。トルコにとっても単に北部だけではなく、イラクのその他の地域に向けた輸出のためにもハブルは重要な収入源である。この国境のゲートが開いていることを、我々は希望する」

■「政治への干渉はなされるべきではない」
ウィルソン大使は「トルコにおいてクーデターが起こらないと100パーセント確信していますか」という形の質問に次のように答えた。
「トルコにおける政治プロセスで外部からの干渉が行われることは望んでおらず、これには反対である。トルコには力強い組織があり、実践主義で知的な政治的指導者がいる。民主主義を2007年も維持させるだけの解決法を見つけるはずです。民主主義は難しい問題ではありますが。」

■「バシェルとアメリカの関係はない」
「共に一緒に、積極的に働いたバシェル退役大将に関する問題は、トルコの内政に関わるものだと思っている。問題は私達が、あるいはバシェル退役大将が我々と、あるいはPKKとのかかわりのなかで生じさせたものではない。問題はバシェル退役大将と政府の間のものであった」

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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:11049 )