エルドアン首相、候補者名簿から国会議員156名を削除
2007年06月05日付 Radikal 紙

公正発展党が高等選挙委員会に提出した国会議員候補者名簿には、多くのサプライズがあった。エルドアン首相は参謀とともに5日間家に閉じこもり、作成された名簿では352名の国会議員から156名が削除されていた。

■アリ・ジョシュクンは名簿外
エルドアン首相作成名簿には、産業・貿易大臣のアリ・ジョシュクンは載っていなかった。ガズィアンテプ選出国会議員で国務大臣のキュルシャド・トゥズメンはメルスィン選挙区に、イスタンブル選出国会議員で財務大臣のケマル・ウナクタンはエスキシェヒル選挙区に、イスタンブル選出国会議員で副首相のメフメト・アリ・シャーヒンはアンタリヤ選挙区にそれぞれ移動した。公正発展党副党首デンギル・フラットもメルスィンではなくアダナ選挙区からの立候補者として明示された。

■「無罪になったら来い」と言ったが・・・
ジェマル・カヤは、エネルギー汚職訴訟のため、公正発展党および国会議員を辞職し、司法判断に身をゆだねたものの完全な意味では無罪となっていないが、アール選挙区から候補者となった。エルドアン首相は、カヤに対しては「無罪となった後、(候補者と)なる」との表現を用いていた。

■ギュナイは、イスタンブルから
エルドアン首相は、前共和人民党書記長エルトゥールル・ギュナイを、イスタンブル第1選挙区から首相自身の次の順位で候補としたが、レハ・チャムルオールを第3区の第6番目に明示した。ギュナイの派閥からハルク・オズダルガはアンカラ第1区第4番に、エルダル・カルカンはイズミル第2区第4番に、イブラヒム・イートもイスタンブル第3区第9番に選出される順番に置かれた。ジャーマン・マーシャル・ファンドの名で知られる米国思想協会のトルコ代表スアット・クヌクルオールもチャンクル選挙区の第2番の候補となった。

■ディンチェルは第7番に
エルドアン首相は、前首相府次官のオメル・ディンチェルをイスタンブル第2区第7番候補者として明示し、党内でサプライズとして受け止められた。トルコ大国民議会議長ビュレント・アルンチは、再びマニサ選挙区第1番に候補者として明示された。候補とならなかった副首相アブデュッラティフ・シェネルの側近のゼキ・カラバユルは、再びカルス選挙区から候補となった。

■暴力夫ウリュンを拒否
妻エスマを殴打し審理にかけられているコンヤ国会議員ハリ・ウリュンを、エルドアン首相は候補者としなかった。首相の妻エミネ・エルドアンと女性および家族担当大臣ニメト・チュブクチュは、ウリュン議員に対し厳しい態度をあらわにしていた。

■「2月28日過程」関係者は欄外
エルドアン首相は、「2月28日過程」事件及びその後に何らかの言動や行動を起こした人物を名簿に載せなかった。候補者申請を行っていた新聞記者ナズル・ウルジャクは名簿に記載されなかった。前トカト国会議員ベキル・ソバジュとハタイ国会議員メフメト・スライも候補者として明示されなかった。

■対立勢力も欄外
エルドアン首相は、党内で対立行動の目立つ人物を名簿から除外した。エミネ・エルドアンがスカーフを着用しているためチャンカヤ(大統領府)には入れないと言い、自身の妻が民主党から候補者となっているメフメト・ドゥルゲル、前副首相エルトゥールル・ヤルチュンバユル、アンタリヤ国会議員エユプ・サナイ、アンカラ国会議員エルソンメズ・ヤルバイは名簿に記載されなかった。

■ミッリー・ギョルシュらも欄外
元ミッリー・ギョルシュを母体としていた多くの人物と同じく、トルコ大国民議会人権調査委員長メフメト・エルカトムッシュとトルコ大国民議会国民教育委員長タヤル・アルトゥクラチも名簿に載らなかった。ミッリー・ギョルシュ出身のイスマイル・アルプテキン、マフムート・ギョクス、ヌレッティン・アクタシュ、ムスタファ・バシュ、ヒュセイン・カンス、レムジ・チェティン、ムスタファ・ウナルドゥ、セバハッティン・ユルドゥズ、ムサ・ウズンカヤ、ジャーヒト・ジャン、助産婦である妻を課長職につけたアルトヴィン国会議員オルハン・ユルドゥズ及び、秘書をボル市の副市長職につけたメフメト・ギュネルも名簿に載らなかった。

■ヒュスレブ・クトゥルは維持
トルコ大国民議会裏にある、元帥姿のアタテュルクの肖像や国会に設置された軍列に対して異議を唱えたため緊迫状態を引き起こしたアドゥヤマン国会議員ヒュスレブ・クトゥルは、アドゥヤマン県で第1番に名が記された。

■トルンの行動は忘れられなかった
トルコ大国民議会シェムディンリ委員会で供述を行い、参謀総長ビュユクアヌト陸将に関する主張を公にしたソズ紙オーナーのメフメト・アリ・アルトゥンダーを当該委員会に連れてきたディヤルバクル国会議員ジャビト・トルンも、名簿には記載されなかった。大統領職の候補となることを表明したが候補とならなかったハミト・タシュチュも名簿では消されていた。

■サーラムはベストな位置に
公正発展党政権で教育相として名が挙げられている元正道党のメフメト・サーラムはカフラマンマラシュ選挙区の第1番に、国家水利総局(DSI)長ヴェイセル・エルオールはアフヨンカラヒサル選挙区第2番、元独立実業家協会(MÜSİAD)会長アリ・バイラムオールはリゼ選挙区第1番に、大統領選挙で公正発展党を支持した無所属国会議員スレイマン・ボリュンメズはマルディン選挙区の第2番で立候補となった。

■ウスキュルはメルスィン第2番に
公正発展党の新しい顔となるべく名簿に記載された人物としては、アンカラ商工会議所会頭ザフェル・チャーラヤンはアンカラ第2区第3番に、社会民主出身の憲法学者ザフェル・ウスキュル教授はメルスィン選挙区第2番で候補者となった。新人の中では、アンタリヤで5番目の候補とされたユスフ・ズィヤ・イルベチ教授だけが当選の危ぶまれる位置にいる。


■20名の女性候補が各選挙区第1番に
公正発展党の名簿には、20名ほどが選出されうる位置に62名の女性候補がいる。ヌル・スナ・メメジャンはイスタンブル第1区第6番、ゼイネプ・ダーウ助教授はアンカラ第1区第5番に、ファジーレット・ダージュ・チュールックはエルズルム選挙区第3番、アイシェヌル・バフチェカプル弁護士はイスタンブル第2区第6番から候補となった。

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( 翻訳者:栗林尚美 )
( 記事ID:11072 )