世論調査で「国民投票による大統領選出に賛成」70%
2007年06月06日付 Zaman 紙

諸政党による国会議員候補者名簿の高等選挙委員会(YSK)提出とともに、7月22日の選挙へのカウントダウンが始まった。投票箱からどんな結果が飛び出すのか誰もが興味津々だ。大統領選挙の際の騒動が今回の投票結果にどう影響するのかが、中でも最も注目されるところだ。

ジハン資料収集・調査サービスが本紙のために行った調査では、トルコ全国の26県とその市町において総勢1万1926名の有権者に対し、政治動向をどのように受け止めているかが問われた。

 世論調査は5月21日から27日にかけて実地調査が行われた。それによるとトルコ国民は大統領選挙の際に起きた緊張に対し、否定的な見解を持っているようだ。

大統領選挙に憲法裁判所が介入したことについて、賛成したのは国民の28.3%、一方反対は66.4%となった。
また国民の73.3%は、憲法裁判所の出した定足数367人という条件が、公正発展党(AKP)からの大統領選出に対する妨害であると受け止めている。
大統領公選制導入への賛成は70.9%にも及んだ。

世論調査では「共和国ミーティング〔訳注:AKPによる大統領選への影響力行使に反対する左派のデモ活動〕」についても国民の意見が問われた。「共和国ミーティング」は特定のイデオロギー(世俗主義・アタテュルク主義)の寄せ集めとみなされた。調査でこの見方に賛同する人は64.3%、反対は23.3%であった。

実地調査は政党間の統合が具体化し始めたころに行われたため、国民が政党の提携行為に対し持っている見解も明らかとなった。
候補者名簿提出の数時間前に統合不成立となったが、正道党(DYP)と祖国党(ANAP)の統合については、賛成の割合が予想を下回った。
右派政党の統合はAKPに取って代わりうるだけの力を持つと考えるものは、国民の31.3%、一方で58%がそれに反対した。

国民の80.5%はこのDYP・ANAPの統合が議席獲得最低得票率クリアのためと見なしている。左派政党に関しては興味深い結果が現れた。
共和人民党(CHP)と民主左派党(DSP)の統合がAKPを脅かすと見なす割合は少数であった。37.5%がAKPに取って代わりうるだけの力を持つと考える一方、否定的な回答者の割合は49%であった。
国民は左派政党の統合が、政党の支持者の要求によるものであると考えている。この見解を持つ割合は56%にものぼった。

「世論2007―国会議員選挙」と名づけられたこの調査には、140人の調査員が携わった。
調査は回答者と調査員が実際に対面する形で行われ、地理的にはトルコ全国26県とそれに属する市町で実施された。調査に加わった人の50.2%が男性、49.8%が女性であった。これらの人々の年齢層分布は以下の方法で実現された。1万3464名が調査に加わり、そのうち1万1926名の回答が有効とされた。調査の記録は以下のとおりである。

2007年5月16日から18日にかけ方法論的準備が行われ、5月21日から27日までに実地調査が行われた。データ入力は5月29日、30日に、データ分析と図表化は5月31日から6月2日にかけて行われた。調査は都市だけにとどまらず、郊外の人々の見解もふくまれている。被調査者の学歴や職業の分布にも注意が払われた。

■調査データ

調査に協力した人の年齢分布
18~25歳男性12.8% 女性12.4%
26~40歳男性18.2% 女性17.9%
41~60歳男性13.4% 女性13.3%
60歳以上男性5.2% 女性6.3%


調査に協力した人は2002年11月3日の選挙でどの政党に投票したのか?
公正発展党(AKP)2939人 34.6%
共和人民党(CHP)1661人 19.5%
民族主義者行動党(MHP)848人 10%
正道党(DYP)451人 5.3%
クルド系人民民主党(DEHAP)365人 4.3%
祖国党(ANAP)321人 3.8%
至福党(SP)294人 3.5%
民主左派党(DSP)282人 3.3%
青年党(GP)236人 2.8%
その他86人 1%
大統一党(BBP)80人 0.9%
自由団結党(ÖDP)37人 0.4%
無所属候補37人 0.4%
ノーコメント617人 7.3%
覚えていない223人 2.6%
合計8502人 100%


■調査結果
大統領選挙が憲法裁判所に持ち込まれたことは正しいか?
はい28.4%
いいえ66.4%
ノーコメント5.2%


大統領は国民が選ぶべきである。
とてもそう思う41.1%
そう思う29.8%
そうは思わない13.8%
全くそう思わない9.7%
どちらともいえない5.7%


定足数367名の条件はAKPによる大統領選出を妨げるものである。
とてもそう思う45.2%
そう思う28.1%
そうは思わない11.7%
全くそう思わない7.5%
どちらともいえない7.4%


「共和国ミーティング」は特定のイデオロギーの寄せ集めである。
とてもそう思う32%
そう思う32.3%
そうは思わない14.5%
全くそう思わない8.8%
どちらともいえない12.3%


左派政党間の統合はAKPに取って代わりうるだけの力を持つ。
とてもそう思う12.8%
そう思う18.5%
そうは思わない33.9%
全くそう思わない24.8%
どちらともいえない10%


右派政党間の統合はAKPに取って代わりうるだけの力を持つ。
とてもそう思う15%
そう思う22.5%
そうは思わない29.3%
全くそう思わない19.8%
どちらともいえない13.4%


DYP・ANAP統合は議席獲得最低得票率クリアのためである。
とてもそう思う39.2%
そう思う41.3%
そうは思わない7.5%
全くそう思わない3.8%
どちらともいえない8.2%


CHPは左派政党と統合しなければ政権は担えない。
とてもそう思う45.7%
そう思う32.4%
そうは思わない8.2%
全くそう思わない6.5%
どちらともいえない7.8%


CHP・DSP統合は支持者の要求によるものである。
とてもそう思う21.9%
そう思う34.7%
そうは思わない14.7%
全くそう思わない7.5%
どちらともいえない21.3%


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( 翻訳者:上田悠里 )
( 記事ID:11078 )