ヨーロッパはひと安心:世俗派集会での主張がEUに希望もたらす
2007年05月29日付 Milliyet 紙

ストラスブールでトルコ人記者団と会見した欧州議会議員は、トルコでの最近の動向の影響について意見を述べた。誰もが口にした点は、世俗派集会でのメッセージがトルコの未来に希望をもたらすということだった。

■トルコは第二のイランにはならない

トルコ・EU 共同議会委員会のヨースト・ラゲンディック共同議長は、最近の政治的動向から、欧州世論がトルコについて「第二のイランになる、または軍事クーデターがすぐそこまできている」といった二つの異なった認識にあると述べ、次のように語った。「この二つの選択肢も起こらないだろうということを、私はヨーロッパに対してここ何週間か説明してきました」

ストラスブールでトルコ人記者団と面談したラゲンディック共同議長は、ここのところヨーロッパの人々がトルコについて「二極化した構図」を頭に描いていることに注意を引き、次のように述べた。「過去にトルコのEU加盟に賛成だった人たちは、今、疑いをもちはじめています。トルコのEU加盟に反対だった人たちの力は強まりました。それは『トルコはヨーロッパではなく、イスラーム共和国になる』または『トルコで軍がまだ非常に強い力を持っていることは過去にも指摘しました』といった議論にあらわれています」

ラゲンディック氏は、公正発展党がトルコを「第二のイランにしようとしている」という考えには同意しないといい、こう話した。「とはいえ、最近の世俗派集会では、公正発展党が答えなければならない、当然の疑問がなげかけられました。これらの世俗派集会は、公正発展党が長期的に何を目指しているのかについて、トルコの多数の人々、とりわけ女性に対して説得できていないことを示しています」

ラゲンディック氏は、トルコで軍事クーデターが起こらないと自身に確信させたものが最近の世俗派集会であったと述べ、「世俗派集会に参加した人たちはシャリーア(イスラーム法)にも、軍事クーデターにもNO!を突きつけたのです」と語った。
同氏は、イスタンブルの大通りにある看板での水着広告禁止については、「もし本当のことなら懸念すべきこと」と発言し、こう続けた。「公正発展党系の地方自治体の一部がアルコールの禁止に乗り出したことがありました。この種の行動は、公正発展党に裏アジェンダがあるのではという見方を強固にさせます。政府はこれが公正発展党の共通の国家的政策ではないことを明確に示すべきです」

■イスラーム民主主義

欧州議会の第三会派である欧州自由民主連盟(ALDE)のグラハム・ワトソン会長は、「公正発展党はトルコにおいて、『ヨーロッパにおけるキリスト教民主主義に似たイスラーム民主主義を確立しようとしている」と述べた。トルコ人記者が「イスラーム民主主義」という言葉をもって何を意味しているのかと質問すると、同会長はこの用語を「国家ではなく、イデオロギーを定義するために」使ったと主張した。また、「私はキリスト教民主主義といいましたが、第二次世界大戦後ドイツで構築された類の政権のことを指しているのだ」と語った。

■EUは世俗派のトルコを望んでいる

欧州議会の第二会派である欧州社会主義グループのハンネス・スオボダ副会長は、トルコのEU加盟を支持しているが、トルコに関する二つの基本原則を重要視していることを明らかにし、次のように発言した。「第一に世俗主義、そして公的組織において宗教の影響が皆無のトルコを我々は求めます。第二には完全なる民主主義のトルコです」

スオボダ副会長は、「トルコの周辺国は問題を抱えている困難な国々であり、とりわけイスラーム国であることを考えるならば、我々はトルコがムスリム国家であり、しかし同時に世俗主義が定着した完全なる民主主義の国家として、見本になることを求めている」と述べた。

欧州議会の社会主義グループのもうひとりの副会長、ジャン・マリヌス・ワーズマ氏は、トルコにおける世俗派集会で「シャリーアもクーデターもいらない」というスローガンが民主主義の観点から非常に重要であることを強調した。

■トルコ大国民議会での女性議員の少なさは恥ずべきこと

欧州議会のトルコ系オランダ人女性議員エミネ・ボズクルト氏は「トルコにおける女性の権利」という報告書を作成し、トルコの議会で現在、女性議員の割合が4.4%であることが、「恥ずべき状況」であり、「民主主義が不十分」であると述べた。

ボズクルト氏は、7月22日の総選挙が、議会により多くの女性が進出する機会だと述べ、「この選挙では女性のための割当定数はないかもしれません。しかし女性候補をよりおおく擁立するための障壁はまったくないのです」と話した。
同氏は、候補者名簿により多くの女性が掲載されるように、公正発展党、共和人民党、そしてその他の諸政党と会合ももったことを明らかにし、「たとえば公正発展党には、81県で81人の女性候補を要請しました。公正発展党側はそうしましょうと言っています。ただこれを本当に形にしていかなければなりません」と語った。同氏は、次期の議会では、「女性のための権利平等委員会」の設立が必要と語った。また同氏は、トルコでは1934年に女性に参政権が与えられたことにふれ、こう続けた。「それからの70数年間で女性議員の割合は5パーセントを超えたことはありません。最も公平な定数は50パーセントだと私は思います。しかしもちろんこれはトルコにとって難しいかもしれませんので、最低30パーセントは必要と我々は主張しているのです」

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( 翻訳者:トルコメディア研究2007 )
( 記事ID:11084 )