レバノン政府軍がファタハ・アル=イスラームを難民キャンプ内に包囲
2007年06月03日付 Al-Nahar 紙

■ 「ファタハ・アル=イスラーム」はシリアから運び込んだ爆弾により「レバノンでの9.11」を計画
■ 政府軍は包囲を強化して投降の呼びかけ
■ セニョーラ首相「我々は適切な処遇と公正な法的処置を保証する」

2007年06月03日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 「ファタハ・アル=イスラーム」に対しレバノン政府軍が開始した戦闘は昨日、住宅の密集するナフル・アル=バーリド難民キャンプの中の狭い区域に同組織を包囲したことにより、新たな局面を迎えた。激しい戦闘が行われた結果、政府軍はキャンプの入り口や武装勢力の複数の重要拠点を制圧し、補給線を切断することに成功した。政府軍はファタハ・アル=イスラームのメンバーに対し、投降するよう繰り返し強く求めるとともに公正な裁判を保証することを約束した。

 アッカールの本紙記者によると2時間にわたって戦闘が停止した後、夜中の10時半過ぎに砲撃や爆撃が再開されたとのことであるが、この戦闘停止状態が最も激しい戦闘のあった午後に呼びかけられていた非公式の停戦合意に基づくものであったのか否かは未だ不明である。

 ファタハ・アル=イスラームの3つの拠点(バイト・アル=マクディス、生協、「不屈の闘士」センター)の周辺で午後7時ごろから戦闘が激化し、1分間に15発にもおよぶ集中的な砲撃の下で政府軍により拠点は破壊された。

 また空軍のヘリコプター「ガゼル」も攻撃に参加し、キャンプの南側の入り口近くの軍事目標に2回目となる爆撃を加えた。一方、北部の海岸付近では午後4時頃から6隻を超える哨戒艇が活動していた。

■ セニョーラ首相

 現場での展開を受けてフアード・アル=セニョーラ首相は昨夜、政府軍司令官であるミシェル・スライマーン中将、在レバノンPLO代表部のアッバース・ザキー代表、レバノンにおけるハマース代表であるウサーマ・ハマダーン氏、「イスラーム・ジハード運動」のアブー・イマード・アル=リファーイー代表のそれぞれと電話で会談を行い、ファタハ・アル=イスラームのメンバーにはレバノン当局へ投降することが認められていると明言した。また、レバノン当局は彼らに対して、現行の制度に基づいて適切な処遇と公正な裁判を実施することを保証すると述べた。

 またセニョーラ首相はサウジアラビアの「アル=アラビーヤ」テレビのインタビューに対して、未だ3000人のパレスチナ人が残っている難民キャンプの中には250人のファタハ・アル=イスラームのメンバーがいると答えた。またパレスチナ赤三日月社のある関係者の話として、「爆弾が仕掛けられているため近づくことのできない死体が複数ある」と語った。

 セニョーラ首相は「(ファタハ・アル=イスラームは)シリアの諜報機関のいくつかと共謀している」との見方を示し、「(同組織のメンバーに対して現在行われている取り調べによると)爆破活動や暗殺の計画が実際に存在した」と述べた。

 またセニョーラ首相は、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長が「当局にメンバーを引き渡すよう同組織を説得するため最大限の努力を」尽くしてくれればと願っていると述べ、「政府軍司令官がナスルッラー書記長とヒズブッラーから派遣された代表者と連絡をとっている」と明かした。

(後略)

Tweet
シェア


現地の新聞はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:垣平浩明 )
( 記事ID:11115 )