司法権第一副長官「逮捕者が《地上の悪》に当たれば死刑も」
2007年06月10日付 E'temad-e Melli 紙

 バッドヘジャービー取締計画の実施から2ヶ月、ならず者取締計画の実施から1ヶ月近くが経過したことに伴い、治安維持軍司令官たちは、司法権の裁判官・検察官たちを治安維持軍司令部に招き、会合を行った。この〔治安維持軍と司法権の〕合同会合で、彼らは同期間中の活動報告を行い、また司法関係者たちに、厳格で迅速な対応を求めた。これに対し、司法関係者らも同日、「ならず者」として逮捕された被告らに対して、ときに死刑を含む重い刑罰を言い渡すつもりである旨、明らかにした。

 会合が行われた会場の扉は、午前7時から司法権第一副長官やその他の司法責任者たち、治安維持軍司令官たちに開かれ、報道陣に開かれたのは、午前11時であった。〔女性の〕報道関係者は決定に基づいて、今後はこれまでと異なり、黒のチャードルを着て会見に臨まねばならなくなった。

少女たちを前科者にしてはならない

 治安維持軍長官は、自らの指揮下にある治安維持軍の次官たちや司令官たちによる報告がなされた後、自ら演壇に立ち、次のように述べた。「警察の活動には法律の支持が必要だ。問題の多くが警察の責任の範囲内で解決されるよう、注意を払うべきであり、問題解決のために司法当局を巻き込む必要はない。バッドヘジャーブの取締りで少女たちを前科者にしてはならない」。

 彼が言及しているのはバッドヘジャービー取締計画の実施状況についてであり、警察官たちは、彼らの目から見て「バッドヘジャーブ」な少女たちを特定のセンターに連れて行き、文書による注意を与えたり、又は罰金によって彼女らの取調べを済ませたりしてきたという。

 このように前置きした上で、治安維持軍長官は道徳的安全計画で逮捕された若者たちのうち、司法当局に送検されたのは0.4%未満に過ぎないことを明かした上で、さらに次のように述べた。「社会の予想に反して、この問題で立件された者の60%以上が男性であり、この問題で送検された女性たちも、《特別な女性であった》、もしくは《堕落の館〔売春宿のことを示唆していると思われる〕に出入りしていた》、といった犯罪に問われている者たちである」。

 治安維持軍長官はまた、この計画を実施した結果、強盗が15%、誘拐が36%、騒擾行為が24%、殺人が16%減少したとしている。

娯楽施設への若者たちの入場を規制

 治安維持軍総司令官は、「ならず者」として2000人近くの容疑者を逮捕し、さらに娯楽施設への規制を予定していることは、治安維持軍による諸々の〔治安回復のための〕計画の延長線上にあるとの見方を示した上で、「家庭の平穏のために、ならず者や家庭に迷惑行為を働く集団には、厳しく取締る」と述べた

 もちろん同総司令官はその後、「何年も前に施行されていた法律のように、娯楽施設への若者たちの入場が禁止されることになるのか?」との記者の質問には、次のように答えている。「そのような政策は、治安維持軍とは関係がない。我が部隊が予定しているのは、家庭や市民に迷惑をかける目的で〔娯楽施設に〕入場する若者たちの集団に対する取締りである」。

治安維持軍隊員200人除名

 以上の内容が語られた後、ある記者から過去1年間に解雇または免職された治安維持軍の隊員数が1400名に上ることついて尋ねられた同長官は、この質問に対して次のように答えた。「欠勤、仕事のストレスによる逃亡・軍務放棄、持ち場の放棄、及び命令に対する不服従は、治安維持軍の違反行為で最も多い。当然、賄賂や犯罪者との共謀も違反行為全体の約10%を占めており、彼らは法に基づいて免職処分される」。

 同長官によると、「約200名が免職処分にされ、残りは職務を解かれるか、あるいは退職させられている」という。

《地上の悪》には教訓的なかたちでの刑罰も

 治安維持軍長官がならず者の取締りにおける治安維持軍の活動状況について詳細を明らかにすると、次に司法権第一副長官が「ならず者」として逮捕された被告人に対する取り調べの方法、ならびに彼らへの判決の言い渡しについて話し始めた。

 同第一副長官は、「イスラーム社会を脅かす《地上の悪》(地上に頽廃をまき散らした者)であるような一部のならず者には死刑もありうる」と述べた治安維持軍法務次官の発言について、次のように述べた。「この件についての決定は、担当の裁判官に委ねられている。裁判官は必要な審理を行った上で、法に沿った判決をこれらの被告人に言い渡さなければならない。もしならず者に強姦や騒擾行為といった前科があれば、イスラーム社会を脅かす《地上の悪》に該当すると判断することができるが、このような場合にも法の規定に従って、これらの人々に対応しなければならない」。

 ライースィー第一副長官はまた、「逮捕されたならず者が、法によってイスラーム社会を脅かす《地上の悪》に該当するような場合、他への教訓となるようなかたちで彼らに対応することになろう」と語った。

 同副長官はその上で、「暴力を振り回し、騒擾を煽り、強姦を働くなどして、社会の安全を危険にさらした刑法上の前科のある者は、必ず厳格な処罰を受けるであろう」とも述べた。

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( 翻訳者:佐藤成実 )
( 記事ID:11133 )