テロをテーマにした安全保障サミット、アンカラの緊張した空気を和らげる
2007年06月14日付 Zaman 紙
最近頻発する分離主義者のテロを取り上げた安全保障サミットは、社会に醸成されつつあった緊張した空気を和らげた。
一昨日(12日)アンカラで文民と軍民の代表が集合したサミットで、問題が民主主義的な地平で解決されることに注目が集められる中、政府と参謀本部がまったく調和した関係にあることが強調された。会議の結果を評価したテロの専門家、学識者、戦略問題専門家は、結果が(関係が)正常化する過程の始まりとして捉えている。
国際戦略調査協会代表セダット・ラチネルは、政府が問題を最も詳細なことまで軍部と話し合ったことが明らかになり、皆を安心させたとし、一体と協力宣言を出したことの重要性を指摘した。退役した軍判事大佐ウミット・カルダシュは、決定の内容は政府が主導権を握ったことを示しているとする一方、テロを口実にトルコを民主主義や法から遠ざけようと意図している人々に良い回答を与えたと考えている。元警察情報部門部長ビュレント・オラクオールも、国家のトップが(テロの)心理的作戦の罠に引っかからなかったと強調した。
元警察情報部門部長ビュレント・オラクオールは、安全保障サミットで採られた決定が国全体に一体と統合の空気をもたらそうとし、次のように述べている。
「暫し不法な勢力がトルコで心理的作戦を進めていた。国家のトップはこの罠にひっかからなかった。注目してください。サミットには首相、参謀総長、内務省大臣、陸軍司令官が参加している。非常に重要な議題を取り上げたと考えている。また、首相がこのことをメディアの前で話さなかったことはかなり良い兆しである。」
ユーラシア戦略調査センター(ASAM)の創設者であり所長のウミット・オズダウ教授は、しかるべきことが発言されたと強調している。元国家諜報機構(MİT)専門家のマヒル・カイナク教授は、テロ・サミットで協力宣言が出されたことを「テロを口実にトルコを民主主義や法から遠ざけようと意図している人々への良い回答」として解釈している。各人の見解の要約は、以下の通り。
■マヒル・カイナク(元国家諜報機構(MİT)一員):反民主主義者に良い回答となった
我々を互いに争わせようと仕向けた勢力は、国外の勢力である。このため軍部と政治家が対立しているかのように示すのは誤りである。この点からテロ・サミットで協力宣言が出たことはかなり良い兆しである。
信じている、会議室で協力の考えが生まれたのだと。双方とも相手を誹謗する態度を見せなかった。問題を軍部とともに協力して解決する政治の意思を感じている。この配布書類からこのことを理解している。民主主義的に対処されることは大きな重要性を持っている。テロを口実にトルコを民主主義や法から遠ざけようと意図している人々への回答である。サミットは同時に軍部と政府の関係が正常に戻るための指標である。
■ウミット・オズダウ(ユーラシア戦略調査センター(ASAM)所長):あるべき状況
政府と参謀本部の間に不協和音がないとの方向での発表は(ことの)結果ではない。テロと民主主義的法治国家の枠組みで闘うとの強調があるべき状況なのだ。トルコが北イラクに向けて文化、経済、社会、政治的な圧力の可能性を行使しないで、トルコ国軍(の使用)を主張することは間違いである。
■オメル・ルトフィ・メテ(新聞記者、作家)公衆の前で語られるべきでない
サミット(での内容)を伝える発表を、今までの国家の慣例でいえば理に適ったものとはみない。こうしたことは、公衆の前で語られるべきではない。協議内容は共有すべきではない。「調和している」と言うことは「調和していない」と言うことよりもまずい。こうした回答は噂が噂を招くようなものだ。
誰が軍部と政府の間を裂こうとしているのか?軍部と政府の距離は時折広がったり狭まったりする。しかしこのことを議論するのは誤りである。テロに関連する不協和音が存在するとは考えていない。
■ハサン・コニ(国際関係専門家)伝統路線の継続
発表は非常に一般的なものだ。タンス・チルレルが首相であった頃から、似通った会議で出された発表に似ている。サミットの背後にある計画を分析して首相の発表をみている。まず国内にいるテロの要素との闘いに関わる見解を国内で反映させようとしている、と考えている。政府と軍部の間で主要戦略はまだ形成されていない。
■セダット・ラチネル博士(国際戦略調査協会(USAK)代表):平常化の指標
政府がすぐにあらゆる問題を最も詳細なことまで軍部と話し合ったことが明らかになり、皆を安心させた。首相の発表が待たれており。期待された発表が出された。サミットで国境地域に緩衝地域を形成することが議論された。
特別な状態となりかつ厳しい管理(を要す)というような過程に入ったかのような情報が意識的に汲み上げられている時期に、民主主義が強調されたことは大きな重要性を持っている。このためテロとの闘いが民主主義の規範の枠組みで行われることがサミットより発表されたことで、人々を安心させた。このことは、同時に(政府と軍部の関係の)平常化の指標であり、肝要なメッセージである。
■ウミット・カルダシュ(退役軍判事大佐):政府が主導権を手にした
政府が主導権を手にしたとして評価する。テロが民主主義と法の中で解決されるとのメッセージは重要だ。軍部は活動的状態をつくりながら世論を形成した。昨日(13日)以降首相は、自身の発表と、サミットで出された決定でもって再び主導権を手にした。なされるべきことは、このことであった。
テロは、トルコ国内の問題である。外からの往来があるなら、国境の安全保障の議題で近隣国との折衝が行われる。トルコは外交的策を用いて、そこから結果を得られるだろう。テロはあらゆる局面を利用して解決に導かれねばならない。このことは民主主義の中で行われうることだ。国内安全保障におけるこのような問題の解決に軍を使用するのは間違いである。
■ビュレント・オラクオール(元警察情報部門部長):政府は挑発に乗らなかった
安全保障サミットで採られた決定が国全体に一体と統合の空気をもたらそう。暫し不法な勢力がトルコで心理的作戦を進めていた。国家のトップはこの罠にひっかからなかった。一部層は(声高に)主張して我が国を後退させる政策に引きずり込もうと努めていた。首相の態度は、こうした集団の計画を水泡に帰した。
注目してください。サミットには首相、参謀総長、内務省大臣、陸軍司令官が参加している。非常に重要な議題を取り上げたと考えている。また、首相がこのことをメディアの前で話さなかったことはかなり良い兆しである。
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( 翻訳者:三村麻衣 )
( 記事ID:11150 )