軍互助協会(OYAK)に属するオヤク銀行が26億7300万ドル(約3,311億円)で完全にオランダのINGグループに売却された。トルコ最大の鉄鋼会社エルデミルが外国資本に渡らないようキャンペーンを進めていたオヤクの銀行の売却の決定は衝撃を与えた。
オヤク銀行は、トルコ軍関係者の給与の10%の拠出により構成される軍互助協会(OYAK)の管理下にあるが、オランダのINGグループに売却される。26億7300万ドル(約3,311億円)で決定した売却によって、トルコの金融システムにおける外国資本の割合が42%に達した。売却プロセスは半年で完了し、銀行名た」と述べられた。
オヤク銀行は、2007年3月末の時点で116億9,100万YTL(約1兆1,021億円)の資産規模でトルコ第9位の規模を持つ。同行は362の支店を持ち従業員数は5500人以上である。
■兵舎にはオヤク銀行のみ
オヤク銀行の名前は、以前、他行ATMが兵舎から撤去されたことでも話題に上った。オヤク銀行は、個人給与の振込が同行に対し行われるよう参謀本部に強力な交渉をひそかに行い、この結果多くの軍の部隊が他の銀行との契約を取り消し、また満期での契約更新をしなかった。銀行の元取締役の一人で退職したオスマン・オズベク少将は、以前、大半の株が外国資本に売却されることについてのニュースに対し反発していた。2000-2001年に、軍警察総司令部の代表としてオヤクの取締役の一人であったオズベクは、以前本紙とのインタビューで、「名誉あるトルコ人将校の一人として、オヤク銀行が外国人に買収されることは認めることができない」と話していた。オヤクは、近年急激な民営化に突入しており、エルデミル社を27億ドル(約3,345億円)で買収していた。外国資本への売却が批判されるいっぽう、エルデミル社をオヤクが買収したことは「国民的な組織の一部となった」として組合は肯定的に受け止めた。オヤクは今回のINGグループへの売却により、エルデミル社に支払った金額と同程度の利益を確保したことになった。
■前身はボストン銀行
- 1984: ボストン銀行イスタンブル支店の開設によりオヤク銀行の歴史が始まった。
- 1990: ボストン銀行は、ファースト・ボストン・ナショナル銀行と改名し、オヤク、アラルコ、ジェッラホウルグループと共に4社は合併しトルコの銀行となった。
- 1991: この年に銀行名をトルコ・ボストン銀行株式会社に変更。
- 1994: 軍互助協会が全ての株を買い取り、同行の単一株主となった。
- 1994: グループがアイルランドでオヤク・ヨーロピアン・ファイナンス公開有限責任会社を買収。
- 1996: トルコ・ボストン銀行株式会社は社名を変更しオヤク銀行株式会社に。
- 1996: 同行は、ドイツで営業するオヤク・アンケル銀行有限責任会社を買収。
- 1998: この年までに、アンカラとアダナ、イズミル、ブルサでグループ企業とその従業員を対象とした支部を所有する一方、個人顧客向けの営業にも参入した。
- 2001: 支店網を拡大するために、ハイヤム・ガリプオール氏からシュメルバンクを、3万6千ドル(約446万円)で買収。当時この買収金額が問題となった。
- 2007: オランダのINGグループは、同銀行を26億7,300万ドル(約3,311億円)で完全に買収する予定であることを発表。BDDKがどのような決定を下すかに注目が集まっている。
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( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:11196 )